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▲CSMVPこそ第2戦完封の菅野に譲ったが、その試合で広島・前田健からアーチを放つ活躍を見せた寺内。全員野球で連覇した今季を象徴するシーンでこれこそが強さの秘密だ




◆交流戦成績
24試合13勝10敗1分 勝率.565[3位]
◆対楽天成績
2勝2敗[ホーム1勝、ビジター1敗]
○数字はリーグ内順位


日本一奪取への3つのPOINT

POINT.1 投手力&守備力は?
先発は5回まででOK
盤石リリーフ体制整う


 贔屓目なしに弱点の見当たらない投手陣ではないか。日本シリーズでの先発ローテーションは、左3、右2の5枚を予定。CSファイナルステージで初戦無念の4回降板を命じられたエース・内海の状態は決して悪くはなく、上々の内容と結果を残してCSMVPに輝いたルーキー・菅野、昨季は左肩違和感でポストシーズンの登板を回避したものの、先のCSで雪辱を果たした杉内の3人が押しも押されもせぬ大黒柱だ。

 出番が訪れる前に日本シリーズ進出が決まったホールトン、第5戦が期待される19歳左腕・今村も、そろってCS直前のみやざきフェニックス・リーグで完璧な仕上がりを見せているのが安心材料だろう。

 そんな先発投手陣に期待されるのは、5回を全力で投げ切ること。6回以降には配置転換となった澤村を筆頭に、7&8回のマシソン&山口、守護神・西村が控えているからだ。普通、注ぎ込む投手の数が多ければ多いほど、失点のリスクは高まるものだが、巨人ではその定説は当てはまらない。原監督が「頼もしい」と絶対の信頼を置く4人のリリーバーにバトンが渡る展開となれば、その先、楽天はノーチャンスだ。


POINT.2 攻撃力は?
下位打線好調で
得点源が複数に


 3連勝で終わらせたCSファイナルステージでの収穫は何かと問われれば、長野、坂本、阿部、村田といった、指揮官が定めるところの“枢軸”以外の打者に当たりが生まれたことだろう。CSでは二番を打った守備職人・寺内と、09年のシリーズでは五番だった八番・亀井だ。

 特に寺内は第2戦で広島のエース・前田健から試合を決める3ランアーチ。翌第3戦も2安打と気を吐きつつ、犠打を決めるなど、つなぎの役割もきっちりと果たし、「急に打てるようになるわけじゃない。今やっていることを継続していきたい」。

 一方の亀井は下位打線で上位につなぐチャンスメークももちろん、上位が返しそこねた走者を文字どおりクリーンアップ。得点源が分散することを可能にしている。

 逆に“枢軸”たちは決して本調子ではないのだが、「短期決戦の場合はチャンスに一本が出るか出ないか。今はいい所で出ていると思います」と指揮官が分析するように、勝負所で強さを発揮。非常にバランスのとれた打線となっている。


POINT.3 打倒・楽天のカギは?
初黒星はシリーズで
1にも2にもマー君


 楽天のエース・田中攻略は、V9以来、40年ぶりの日本一連覇を達成するために避けては通れない道だ。その田中を相手に今季交流戦では2戦2敗と苦汁を舐めているが、攻略のポイントはしばしば不安定さを見せる立ち上がりにありそう。5月22日の対戦(Kスタ宮城)では、9回7安打1得点で完投負けを許しているが、長野の先頭打者弾を含み実に4安打を3回までに放っていた。最少得点でもリードさえ奪えば、前述の盤石リリーフ陣を惜しみなく注ぎ込む準備がある。先手必勝は短期決戦の定石。無傷の24勝右腕の連勝記録が止まる日は近い。


日本シリーズ先発予想



頂点へのキーマン
内海哲也
#26 Tetsuya Utsumi[投手]



“2年連続”でシリーズ男に
CSでは第1戦に先発も、2失点で4回降板。自責点はゼロ、2点を追う二死満塁で打席が回ったための戦略的交代だったが、エースは「4回で降板して悔しい」と無念さをにじませる。実は昨季のCSも2戦1敗。ところが、これをバネにした日本シリーズでは2戦2勝でMVPに輝いているのだから、今年もシリーズ男に期待したいところ。すなわち、田中将大に投げ勝つことが求められるわけだ。日本一連覇は、エースの左肩に掛かっている。
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