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▲5回に先制点につながる二塁打を放った亀井(中央)。左翼守備でも8回に松井の打球をジャンピングキャッチするなど、攻守に存在感を放った





なぜ巨人は少ないチャンスをモノにできたのか?
史上初めて東北の地で幕を開けた日本シリーズ。本拠地で9安打を放ちながら無得点に終わった初出場の楽天と、4安打で2点を挙げた34度目の大舞台となる巨人。両チームの「経験」の差は、各局面での「準備」の差となり、結果へとつながった――。

 4安打で2得点を挙げた巨人と、9安打を放つも12残塁でホームを踏めなかった楽天。巨人・原辰徳監督は「日本シリーズという大舞台で独特の緊張感がある中、今日はわが軍にツキがあった」と振り返ったが、会見中に3度も繰り返した「ツキ」で片付けるには惜しい、セ・リーグ王者の「経験値」が随所に見られた。

 先発した内海哲也は初回こそ3者凡退に抑えたが、2回以降は毎回走者を背負った。それでも「CSでは不甲斐なかったので取り返したかった。持ち味である投球ができた」と、4回途中で降板したクライマックスシリーズ・ファイナルステージ(対広島第1戦)での登板を糧に、6回6安打無失点と粘りの投球。「今日は則本君の方が良かったね」と、楽天先発の則本昂大を称える言葉も、裏を返せば“どんなに悪くてもチームに勝ちをつける”という先発として最低限かつ、最高の仕事を全うした充実感があったからだろう。

 5回、一、二塁間を破った長野久義の先制適時打は「ゲッツー崩れでもいいから1点を」とつなぎの意識から生まれた一打。今季、6回以降にリードした試合で勝率.952を誇るチームからすれば、このイニングの1点が試合の趨勢を決める――。ここまで無安打だった一番打者は、それを十二分に理解していた・・・

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