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[ドラフト検証]

“出世順位”は何位だ!? セ・リーグ編

 

[読売ジャイアンツ]
“出世順位”は…1位

高橋由伸(98年逆指名1位)



日本球界を代表する選手が続々

 一目瞭然の結果となった。メジャー・リーガーとなる上原浩治(現レッドソックス)、高橋尚成(ロッキーズFA)の両投手、高橋由伸を筆頭に、12年のリーグMVPで主将&主砲の阿部慎之助、11&12年の最多勝でエース・内海哲也、近年では珍しく高卒叩き上げの坂本勇人と、タイトルホルダーが続々。1位で獲得した選手の多くが期待どおりに現在も“枢軸”を担っている。FAで他球団から手当たり次第に大物を獲得した90年代も、育成にシフトしつつ1点豪華主義の補強を行った00年代も、巨人の顔としてチームを支えてきたのは彼ら。この20年間でリーグ優勝9度、日本一4度もうなずけるラインアップである。

▲上原浩治(99年逆指名1位、中列右)



[阪神タイガース]
“出世順位”は…1位

藤浪晋太郎(13年1位)



即戦力1位の場合は当たり年

 94年度以降では、13年度の藤浪晋太郎以外の高卒ルーキーの1位選手はほとんど活躍していない。99年の藤川球児にしても一軍定着に5年ほどかかっている。一方、大卒、社会人出の即戦力と見込んで指名をした1位(扱い)選手のほとんどが1年目から活躍をしている。94年の藪恵一、96年の舩木聖士、97年の今岡誠、04年の鳥谷敬、最近では11年の榎田大樹が1年目から戦力に。即戦力選手を1位に指名し、その後、育成を目的に高卒ルーキーを獲得した方がいい。12年の5位の松田遼馬や11年3位の岩本輝、10年の4位の秋山拓巳のように徐々に力を付ける傾向が出てきている。

▲鳥谷敬(04年自由枠)



[広島東洋カープ]
“出世順位”は…1位

前田健太(07年高1巡目)



近年はドラ1に外れなし!

 1992年以前は、達川光男前田智徳ら「ドラ4」が大成し、スカウト&育成巧者ぶりを発揮してきたが、ここ20年では上位指名選手が結果を残している。球団初の逆指名入団選手となった山内泰幸、2年後に同じく逆指名入団の澤崎俊和は新人王を獲得。黒田博樹はいまやメジャー屈指の先発投手だ。東出輝裕大竹寛ら00年前後の高卒ドラ1も順調に主力へと成長。07年の前田健太はエースへと飛躍し、今村猛野村祐輔らもチームの主力として活躍している。1位に続く“好順位”は3位入団の選手たちか。新人王を獲得した梵英心丸佳浩は、今季盗塁王とゴールデングラブを獲得するなど成長を遂げた。

▲山内泰幸(95年1位、左から2番目)



[中日ドラゴンズ]
“出世順位”は…2位

浅尾拓也(07年大・社2巡目)



守護神も実は「2番目」

 荒木雅博川上憲伸平田良介吉見一起ら、ドラ1が期待どおり活躍しているが、ドラフト2位も負けず劣らず豪華な顔ぶれとなっている。森野将彦は1年目にプロ初安打を本塁打で飾るという離れ業を見せ、15年目の現在も健在である。岩瀬仁紀は今季、日本人選手最多となる382セーブなど、守護神として数々の偉業を達成した。そして浅尾拓也は11年にプロ野球新記録となる155ホールドをマークするなど、球界を代表するセットアッパーに。こうなると若手にも期待せずにはいられない。3拍子そろった吉川、今季プロ初勝利を挙げた本格派右腕の西川がどれだけ伸びるか。「2番目」最強神話を継続させたい。

▲岩瀬仁紀(99年2位)



[横浜DeNAベイスターズ]
“出世順位”は…2位

波留敏夫(94年逆指名2位)



即戦力からコーチまで貢献度No.1

 ドラ1はタイトルホルダーは多いものの、期待外れも多い。むしろ09年以降はドラ2選手の即戦力ぶりが目につく。過去に遡ると波留敏夫、新沼慎二木塚敦志と後にコーチに就任した選手も多い。「即戦力」から「コーチ」までと、チームへの貢献度No.1の順位だ。加賀美希昇は芽を出せずにいるが、プロ初登板、初勝利した11年10月19日の阪神戦(甲子園)など目を見張る投球も見られるだけに、是非才能を開花させてほしい。次点はドラフト3位。黒羽根利規梶谷隆幸大田阿斗里山崎憲晴と今季ブレークの兆しを見せた選手がそろう。ドラ2とは異なり大器晩成型が特長か。来季、成長を見せてくれることに期待したい。

加賀繁(10年2位、左)



[東京ヤクルトスワローズ]
“出世順位”は…1位

青木宣親(04年3位)



各順位に分散もやはり1位

 世代トップの活躍を見せる選手が各順位に分散している。1990年代は2位に人材が豊富。宮本慎也はチームの顔として今季引退までを駆け抜けた。岩村明憲五十嵐亮太は主力に成長すると、メジャーに働き場所を求め、現在は日本球界に復帰。2000年代前半は逆指名、自由獲得枠を使って、石川雅規田中浩康と即戦力を求めた一方で、01年の畠山和洋、03年の館山昌平、04年の青木宣親が成長した点も見逃せない。07年以降は、やや伸び悩みが強い印象。増渕竜義由規赤川克紀の脱皮が待たれるところ。近年では13年は大変な当たり年。新人王&最多勝の小川泰弘石山泰稚のほか、14年に期待できる選手も多い。

▲宮本慎也(95年2位、後列中央)

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