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新年を迎えると同時に、2月のキャンプイン、そして、開幕へ向けて選手たちの戦いは加速していく。ここでは新春にちなみ、2014年のドラ1ルーキー12人に、新年の抱負を絵馬に綴ってもらった。初々しい各球団の新人入団会見の一枚とともに、新人たちの顔ぶれをお楽しみください。


東北楽天ゴールデンイーグルス
松井裕樹




輝かしい未来へ向けて

 ゴールデンルーキーは冷静に自分自身を見つめ、来るべき新たなステージへの気持ちを高めている。熟考の末に絵馬にしたためた言葉は『怪我のない一年を!!』。息の長い球界を代表するようなピッチャーになるために、数字うんぬんの目標は立てず、まずは長いシーズンを戦い抜けるだけのプロ仕様の体作りに重点を置いて、第一歩を踏み出す。

 過去の大物ルーキーたちと同様に、新人合同自主トレや春季キャンプから“松井フィーバー”が巻き起こることは必至。それでも本人は「自分ができることをしっかりやっていくだけ」と周囲に流されず、目指すべき高みへと突き進む。

 2014年の注目度No.1ルーキー・松井裕樹、18歳。球史にその名を刻む新たな挑戦の日々がいま幕を開ける。

▲前列左から濱矢、松井裕、内田、古川、後列左から相沢、横山、西宮、相原、今野



埼玉西武ライオンズ
森友哉




いざ、プロへの第一歩

 手渡された絵馬を前に、どんなことを書くか、真剣な表情で長い時間熟考した末の一筆が「ファンの方々に愛されるような選手になる」。

 新入団選手発表の会見でも「すぐにレギュラーを取れるとは思っていないが、それくらいの気持ちでプロ1年目に臨む」と決意を語ったように、期待されるドラ1でも捕手というポジションで、百戦錬磨がひしめくプロでレギュラーとなるのが簡単ではないことは十分に分かっている。

 謙虚に、先輩捕手の炭谷銀仁朗や、同期で大阪桐蔭高の先輩である岡田雅利を参考にしながらキャッチャーとして成長し、長く野球をするのが目標だと言う。

「キャンプまでに体力、人間性を鍛えていかないと」とも語った、18歳とは思えない大物感に、ファンが魅了されないわけがないだろう。

▲後列左から岡田、金子一、伊原監督、山口、福倉、前列左から山川、森、豊田



千葉ロッテマリーンズ
石川歩




同期一のピッチャーに!

 自己分析する性格はマイペース。入団会見でも「(プロで目標とする選手は)特にいません」など、飄々としたコメントで新人らしからぬ落ち着きを見せた石川歩だったが、「意識する選手は?」との問いかけには迷うことなく吉田一将(JR東日本→オリックス)の名前を挙げた。

 ドラフトではともに1位指名を受け、石川はロッテと巨人の競合、吉田はオリックスの単独と指名数では上回ったが、実際の勝負はプロでの実績となる。「先発としてやっていきたい気持ちが強い。具体的な数字の目標はないが、1年間通して投げたい。その結果として、新人王になれれば」

 1年目に目指すのは、「同期入団の中で一番の投手」。開幕先発ローテ入りが期待される。

▲後列左から吉田、石川、三木、前列左から二木、吉原、井上、肘井



福岡ソフトバンクホークス
加治屋蓮




あこがれに近づくために

「真っすぐとフォークのコンビネーションで勝負したい」と語ったスタイルは、2013年限りで選手生活を断念したホークス黄金期のエース・斉藤和巳と通じるものがある。

 シーズンを通して活躍したのは03〜06年の4年間という短さだったが、残したインパクトは大きかった。その先輩を「あこがれ」の存在に挙げる。初めてプロ野球を観戦したのが小学4年時、ヤフードームでのソフトバンク戦。そのマウンドにはエースが君臨していた。それを見て自分が心を躍らせたように、「子どもに夢を与えられる選手になりたい」とプロでの決意を語る。

 ホークスは13年、先発投手陣の崩壊に泣いた。ドラフト1位の特権でチャンスは多く与えられるはず。したためた思いを実現したとき、エースへの階段を上がる。

▲前列左から加治屋、森、後列左から岡本、秋山監督、上林


オリックス・バファローズ
吉田一将




1年間しっかりと投げる

 オリックス首脳陣から即戦力の期待も大きいアマチュアNo.1右腕。その吉田一将が絵馬に書き込んだ言葉は「二ケタ勝利」と「150イニング」だ。昨季はエースの金子千尋が最多奪三振のタイトルを獲得。佐藤達也が最優秀中継ぎ賞に輝き、守護神・平野佳寿も力を持てる存分に発揮した。

 しかし、金子以下の先発陣に元気がなかった。柱候補の出現が待たれるチーム状況に、当然、吉田一も「1年間しっかり先発ローテーションを守っていきたい」と意気込んでいる。

 新人王候補の筆頭になることが予想されるが、本人は「いただけたらうれしいですけど、意識し過ぎず、チームのためにしっかりと勝ちを積み上げていきたいです」といたって謙虚。吉田が先発陣の起爆剤になることは間違いないだろう。

▲前列左から吉田一、東明、中列左から若月、森脇監督、園部、後列左から東、柴田、吉田雄、奥浪、大山



北海道日本ハムファイターズ
渡邉諒




強心臓で開幕一軍!

「早く一軍に上がって、監督を胴上げできるような選手になりたい」と入団会見で語った。そのためにも、まずは開幕一軍を狙う。

 背番号23は13年まで二岡智宏が背負っていたもので「縁がある」という。小学4年でリトルリーグに入団したとき、初めて手にしたグラブが巨人に在籍していたときの二岡モデルだったのだ。同じ遊撃手でもあり、当時の巨人の試合を観戦したこともあったそうだ。

 目標に掲げるのは陽岱鋼のような三拍子そろったリードオフマン。栗山監督の「栗の樹ファーム」にメジャー・リーガーのユニフォームやフィギュアなどが飾られていることに言及して、監督のことを「野球オタク」と表現。大胆な発言ができる強いハートの持ち主であり、その強さを武器に、開幕一軍を狙う。
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