いつの時代も強い巨人がいた。そして、その強力打線に敢然と挑んだ投手たち。この構図が日本のプロ野球界を華やかに彩ってきた。ここからは、古今東西のピッチャーをクローズアップしてみたい。 打倒・長嶋に燃えた虎のエース
【通算成績】509試合222勝147敗 防御率2.09 【対巨人成績】39勝55敗 13完封 長きプロ野球の歴史の中で“悲運のエース”とも呼ばれた
村山実こそ、打倒・巨人に己の青春、己の野球人生のすべてを注ぎ込んだ選手と言ってもいいかもしれない。
そんな男のエピソードや印象的なシーンは数あれど、中でもファンの記憶に深く刻まれたのが、1959年6月25日に後楽園球場で行われた巨人との天覧試合だ。天皇、皇后が観戦に訪れたこの試合は終盤まで1点を争う拮抗した白熱した展開となった。村山は前日にも登板していたものの、チームの勝利のために7回の4対4の場面でリリーフへ。疲れなど微塵(みじん)も見せない「ザトペック投法」とも呼ばれた気迫あふれるピッチングで試合は同点のまま9回裏に突入した。
ここで迎えるは
長嶋茂雄・・・
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