週刊ベースボールONLINE

土肥義弘[野球評論家]の現地診断

西武新外国人3選手

 

ライオンズを知り尽くした男が徹底分析!
獅子Vへのカギを握る新外国人3選手の真の実力とは?

涌井秀章ロッテへ、サファテソフトバンクへ、片岡治大巨人へと去って行った西武
それぞれ先発、リリーフ、内野の要だったが、その穴を埋める存在としてチームに加わったのが3人の新外国人選手だ。
伊原ライオンズが優勝するためのカギを握る新助っ人たちの能力を、OBの土肥義弘氏にチェックしてもらった。

写真=高塩隆

抜群の制球力を誇るレイノルズ


[投手] Greg Reynolds #42
右投右打/201cm102kg/1985.7.3生=29歳
[2013年成績]6試合、1勝3敗0S、防御率5.52(レッズ)


 先発の一角として期待されているレイノルズが最も優れているのは、全球種を巧みにコントロールできている点です。バッティングピッチャー(BP)で投球を見ましたがストレート(ほぼツーシーム)、カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップが持ち球で、そのすべてを自分の思うように操れる。特にいいのは速球系。ツーシーム、カットボールが見事にコントロールされ、さらにバッターの手元で曲がるのでタイミングが取りづらそうなスイングしかさせません。

 それが顕著なのは特に左バッターに対して。内角に投げ込むカットボールで確実に詰まらせていました。身長201センチと高さがありますが、真上から投げるのではなく、ややスリークオーター気味。打者から見ると斜め上からの投球で上と横の角度があり、さらに左足がインステップするので、鋭い軌道が生まれています。左打者に対してはフロントドア(ツーシームを内角のボールゾーンからストライクゾーンに投じる)も使っていました。左打者の内角には、この2種類で攻めることができ、実に幅のある投球ができるのではないかと感じましたね。

 先ほど、インステップしていると述べましたが、かといって体に負担のかかるような投げ方はしていません。フォロースルーもしっかり取れ、きれいに回転もしています。肩にかかる負担もうまく逃がしていますし、故障する危険性も減っています。

 投球スタイルとしては、とにかくどの球種も低めに投げて、打者にゴロを打たせる。石井(丈裕)投手コーチが言っていましたが、球速は140キロくらいという触れ込みが、実際にブルペンで見るともっと速く感じる、と。マウンドで145キロくらい出るようだと、コントロールとテクニックは十分ですから、さらに期待は持てると思います。

 心配点は調子に波があること。ロッキーズとレッズでメジャー経験があり、通算6勝(11敗)をマークしていますが、状態がいいときは素晴らしい投球をし、調子が下り坂になると痛打を浴びることが増えトレードに出される、ということを繰り返してきたそうなんです。そういった意味では日本の中6日がレイノルズにどういった影響を及ぼすか。コンディションの整え方を早めにつかんでしまえば1年間、先発ローテーションとして結果を残してくれると思います。

クローザーを争うボウデン


[投手] Michael Bowden #26
右投右打/188cm98kg/1986.9.9生=28歳
[2013年成績]34試合、1勝3敗0S、防御率4.30(カブス)

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング