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野球経験者の新たな可能性 part.1

元ラグビー代表・吉田がほれ込んだ梶本勇介

 

ヤクルトオリックスで計12年間プレーしてきた男が戦力外通告を受け、トライアウトに参加。新たな球団は見つからなかったが、意外な人物の目に留まった。
7人制ラグビーのチームを発足させた元ラグビー日本代表の吉田義人だった。


▲サムライセブンLLPの代表、吉田義人。明大時代に19歳でラグビー日本代表にデビュー。伊勢丹など国内の社会人チームだけでなく、フランスのコロミエでもプレー。引退後は指導者に転身、監督として横河電機ラグビー部や明大を率いた



 ラグビーの元日本代表・吉田義人が2013年10月に、7人制ラグビーのチーム「サムライセブン」を立ち上げた。16年リオデジャネイロ五輪で正式競技となるため、そこでのメダル獲得に向けて、スペシャリストを育成するためだ。「同じラグビーでも15人制と7人制は別のスポーツ。年間を通じて専門の選手を育てないと世界で通用しない」と危機感を抱いたのが始まりだ。

 では、なぜラグビー以外の選手に注目するのか。

「現在、国内で優秀なタレントは人気の高い野球界とサッカー界にいます。でも、トップで成功するのはほんの一握りだけです。同じ競技を長年やってきたけど、実はほかのスポーツに転向して活躍できる人材がいるんじゃないかと思っています」

 13年11月22日、第2回プロ野球トライアウトを視察して、元オリックスの梶本勇介に目が留まった。

「まず、どんな表情でグラウンドに入ってきて、どんなアップをするのか注目しました。30分の時間を無駄なく利用して体をピークに持っていった選手が3人いました。その中の一人が梶本です。そのあとのシートノックの動きを見て、これはすごいと思いました。低いボールを、身をひるがえすようにして捕球する。あの動き、身のこなしは素晴らしかったです。ダッシュするときの重心の低さ、安定感も7人制ラグビーにすごく向いていると思いました」

▲スクラムから展開の練習。15人制では8人で組むスクラムも、7人制ではフロントローの3人のみ



 実技は野球の専門的な部分のためそれほど重視しなかったが、最後に引き揚げる姿にも着目した。「グラウンドには・・・

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