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魔球スプリットのすべて

スプリット習得に取り組むマエケンの思考回路

 

2010年に沢村賞を獲得し、昨年は初めてWBCにも出場した広島前田健太。リーグ、球界を代表する投手へと成長した右腕が今春のキャンプで取り組んだもの、それが新たな球種であるスプリットの習得だった。カープのエースが新球習得へ踏み切り、そして開幕直前に“封印”した理由とは。本人が残したコメントとともに、マエケンの思考を分析する――。


レベルアップのため

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 カープのエース・前田健太が今春のキャンプで取り組んだスプリット習得。結果として、オープン戦途中で新球を“封印”する形となったが、習得の目的は、昨年末に表明した「将来のメジャー挑戦」を視野に入れたものではない。それは投手としての本能、そして、エースとしての責任感からの行動だった。

 昨年、16年ぶりのAクラス入りを果たしたカープ。CSではファーストステージで阪神を撃破したものの、ファイナルステージでは巨人に3連敗。敗れた直後、マエケンは東京ドームの選手通路でこう語っていた。

「自分自身もっと力を付けなきゃいけない。でも、レベルアップするイメージはある」

 12球団で最もリーグ優勝から遠ざかるチームのエースとして、さらにレベルアップを果たさなければいけないと痛感したのだ。

 そして、同級生の田中将大(現ヤンキース)が楽天を初の日本一へ導いた後には、田中の決め球・スプリットについてこう言及した。

「(田中は)どのボールも素晴らしいけど、やっぱりスプリットが良かった。あれがあれば投球がかなり楽になる。僕は投げられないのでうらやましい。来年は挑戦してみようと思う」

4月12日の中日戦[マツダ広島]は、かつて広島監督を務め、今季からMLB・ナショナルズの環太平洋地域コーディネーターに就任したマーティー・ブラウンが視察。果たしてメジャーの眼からマエケンはどのように映ったのだろうか


 さらなるレベルアップの道に「スプリット」を見い出したマエケン・・・

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