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2014阪神タイガース特集

オマリー打撃コーチ補佐の効力とは?

 

今季から和田監督の強い要請で打撃コーチ補佐に就任したオマリー。チームに帯同しゴメスやマートンをサポートしている。その効力は絶大だ!
写真=佐藤真一

 好調をキープするマートン、ゴメスにとって欠かせない存在であることは間違いない。ジャージー姿のオマリー打撃コーチ補佐は、2人が打席に向かう前に必ず何かしらの言葉をかける。配球の傾向、相手バッテリーの攻め方、そして技術的な部分。今季から首脳陣の1人に加わったかつての優良助っ人が、打線の両輪を公私で支えている。

 黒田ヘッドコーチは言う。「去年とは全然違う。ゴメス、マートンとしっかり話をしてくれているし、雰囲気が良くなった。ベンチのムードも全然違う」。昨季終了後、球団はマートン、ゴメスのサポート役として招へいに動いた。マートンは確かな実力を持ちながら、球審への暴言などで2度の退場処分を受けるなど、不安定な精神面を露呈していた。ゴメスは球団がこれまで獲得してこなかった中南米ルートの選手。ドミニカ共和国の選手が多い中日はドミニカ人のブルペン捕手を置くなどインフラを整備しているが、受け入れ体勢は整っていると言い難い。

 9年ぶりのリーグ制覇へ、2人の活躍が不可欠と判断したからこそ、精神面をケアできる人間が必要だった。さらに優勝した2003年に特命コーチとしてジョージ・アリアスらをサポートしたと同時に、当時打撃コーチだった和田監督とも打撃理論が一致。3年契約の最終年に臨む指揮官もオマリー招へいを強く望んだ。

「選手は心配が少なければ少ないほど、良いプレーができる。プレーに集中できるような環境を作ってあげたい。2人とは常に一緒にいることができるからね」と語っていたオマリー打撃コーチ補佐。加入の効果は如実に数字となって表れた。

 4月はゴメス、マートンが2人で打点王を争う快進撃を見せた。ともに月間29打点をマークし、ONすら成し得なかった同一球団のコンビによる月間30打点も視界に入っていた。開幕前、左ヒザ痛による調整遅れが懸念されていたゴメスには「何も心配はいらない」と不安を取り除き、

「低めのボールには絶対手を出さないように」と口酸っぱく日本野球へ対応するために必要なキーワードを言い続けた。マートンには本人が納得するまで配球論、技術論をぶつけ合い、時に試合後2時間もビデオルームにこもって議論を重ねた。

「やっぱり同じ国の言葉で根を詰めて話せる環境が大きいんじゃないかな。だいぶストレスも軽減されているみたいだし」。両外国人の活躍を見ながら球団関係者はこう証言する。昨年までマートンと徹底して野球理論を語り合えるスタッフはいなかった。通訳を介すわずらわしさもなく、異国の地で野球をやっていると思わせない環境。マートンのメンタルが安定しているからこその相乗効果も生み出されている。

 試合前のミーティング。ゴメスは必ずマートンの隣に座るという。スコアラーの話に耳を傾けつつ、マートンが蓄積してきたデータも頭に入れる。日本で活躍してきた実績があるからこそ、ゴメスの“先生役”を自ら買って出たマートン。試合前練習では必ずゴメスのフリー打撃が終わるまでケージ裏に陣取り、気付いた点をオマリー打撃コーチ補佐と一緒にアドバイスしている。

 自身の経験を基に外国人選手が活躍できる環境を作り出したオマリー打撃コーチ補佐。冒頭の黒田ヘッドコーチの言葉にあるように、持ち前の明るさがベンチ内に良い雰囲気をもたらしている。さまざまな効果を見ても、オマリー招へいが最大の“補強”だったと言えるかもしれない。

▲初めての日本でさまざまな違いを受け入れながらプレーするゴメス[左]。それを心身ともにサポートして助けているオマリー打撃コーチ補佐

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