ピッチングに絶妙なアクセントをつけるカーブは、それがあることを打者に意識させるだけでも効果がある球種。「決して得意ではない」という広島・篠田純平も、その球種が持つ意味を理解し、自身の球種に加える一人だ。 取材・構成=菊池仁志 写真=湯浅芳昭、BBM カーブはそれほど自信を持って投げられている球種ではありません。ほかの球種と比べても投げる割合は低いですし、持ち球に序列をつけると下の方にくる球種になってしまいますね。ただ、カーブを使うことによって、ピッチングに幅ができます。持っている球種の中では最も遅いボールになりますから、緩急をつける点で必要な球種ではありますね。
カーブはヒジがきちんと上がらなければ投げられない球種です。そういう意味ではフォームが悪いと投げられない、小手先のごまかしが利かない球でもあります。私は普段のキャッチボールのときからカーブを投げてフォームの確認をするようにしています。カーブが良くないときは、そのほかの球種も良くないことが多い。逆にカーブが意識したように投げられているときは、フォームが整っているということです。その点でフォームのバロメーター的な球種とも言えますね。
[Front-1] ▲握りはストレートとまったく同じ。中指に人さし指を寄せるようなこともせずに投げている。昨秋くらいからこの握りでカーブを投げるようになり、「意外と投げられた」
試合の中でもカーブをうまく使える試合は、長いイニングを投げられています。打者にカーブがあることを意識してもらって、頭に入れる球種の一つにしてもらうことが重要です。その球でストライクカウントを取れれば、なおさらピッチングにゆとりが出ます。私としては、決して得意ではない球種で一つカウントを取ることで、よりピッチングがラクになるといいな、くらいの考えで使っています。だからこそ・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン