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我慢を強いられるチーム状況の中で、何より頼りになるのがベテランの存在だ。野手陣ではチーム2番目の年長者となった今季、念願の優勝を夢見る。プロ13年目で初めてAクラスに入り、クライマックスシリーズを経験した昨季を経て、思いはより一層強くなった。
取材・構成=菊池仁志 写真=神山陽平、前島進、湯浅芳昭

未練を残さない1日を送る

──14年目のシーズンを送っています。優勝への思いも例年以上のものがあるのではないでしょうか。

廣瀬 セ・リーグを見渡して、ジャイアンツが強いことは誰が見ても分かっていることですけど、去年、クライマックスシリーズ(CS)に行けたということがありますし、僕だけじゃなく、みんながまたああいう雰囲気の中で戦いたいという思いを持っているんじゃないですか。

──レギュラーシーズンとは違う雰囲気がありましたか。

廣瀬 僕はオリンピック(00年、シドニー)の経験などもありますけど、久しぶりに一発勝負の試合の緊張感を味わいましたよね。

──若いチームメートにとっては貴重な経験だったのでは?

廣瀬 それがあって例年以上にみんな向上心を持ってやっていると感じます。一人ひとりが自覚を持ってやれていますしね。そんなチームにあって、僕としては戦力にならなければ辞めていかなければならない立場になっていくので、強く競争意識を持ってやっているつもりです。それもあって、良い相乗効果が出ているのではないでしょうか。やはり去年のCSですよ。ああいう経験をすることで、「もっと上へ」っていう気持ちが自然とわいてくるんですよね。

──そういう若い選手に積極的に声を掛けるシーンが見られますね。

廣瀬 僕はコーチでも何でもないのですが、メンタル的な部分などでアドバイスできることがあったらしたいと思うし、それは僕にとっても勉強になるんです。いろいろな選手を見ていますから。大したことを伝えられるわけではないんですけど、ささいなことでも気づいたことは言ってあげるようにしていますよ。

──大瀬良大地選手は登板時、ベンチでの廣瀬選手の何気ない心配りによって心が軽くなるということをおっしゃっていました。

廣瀬 大瀬良君とか九里(亜)君とか、1年目で何も知らない世界に飛び込んできたばかりなわけだし、良い意味で力を抜くことをまだ分かっていなくて、常に一生懸命にやってしまうところがあります。だから、野手の観点からだからこそ見えるものを伝えたりとか、ですね。技術的なことは一切言えませんので。

──35歳となり、野手では倉義和選手に次ぐチーム2番目の年長者となりましたが、その自覚の行動でしょうか。

廣瀬 年齢はまあ、そうですけど、個人的には・・・

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