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「ギアを入れるポイントを逃さないようにするのが、私の責任」と後半戦に向けて野村監督は語った


序盤戦の快進撃がウソのように、交流戦以降、勢いを失った野村カープ。“歯車が狂う”とは、まさにこのことで、一つのピースが機能を失うとまた一つ、また一つと負の連鎖は続いていった。しかし、まだ首位・巨人とは4ゲーム差。背中が見える位置にいる。オールスターブレークを挟んでの仕切り直しの後半戦、再浮上のカギを探す。
※記録はすべて7月16日現在 写真=BBM

2番手以降の先発投手陣に不安

 開幕ダッシュに成功し、首位を快走した広島。23年ぶりの優勝を信じた鯉党も多かったはずだ。しかし交流戦に入り、大失速。3年ぶりの9連敗を喫し、首位からも転落した。結局、前半戦は3位ターンとなり、優勝ムードも冷めつつあるが、逆襲に向けての課題が何であるのか、早い段階で浮き彫りになったのは不幸中の幸いだ。

 交流戦での9連敗の要因は先発投手陣の崩壊だった。6月3日の日本ハム戦(札幌ドーム)で篠田が3回5失点で降板したのを皮切りに、前田が5回5失点、九里が3回9失点、大瀬良が1回0/3で10失点、バリントンは4回1/3で6失点と、5試合連続でKOされた。

 野村監督が「ウチは投手型のチーム」と言い切るように、投手の出来、不出来がチームの命運を握っている。エースの前田はその後、本来の調子を取り戻しつつある。問題は2番手以降の先発陣だ。後半戦では、バリトン、大瀬良、野村の3人はローテの軸として投げるはず。

 バリントンは調子の波が激しく、集中打を浴びる傾向が目立った。ストライク先行の投球スタイルは紙一重で、はまったときはテンポの良い投球を披露するが、早いカウントで取りにいくストライクを狙い打ちされ、連打される可能性もある。自分の特長を生かせる投球ができるかが、後半戦のポイントになる。

 大瀬良は新人だけに疲労がたまったようだ。5月後半から開幕当初のような勢いがなくなったが、これは疲労で下半身が使えず、体の開きが早くなったからだ。毎週マウンドに立つ経験はアマ時代にはなかったのだから仕方はないが、下半身に粘りがなくなってきているのは大瀬良自身も自覚している。ただ前半戦最後の登板となった7月14日のDeNA戦(マツダ)では球威、キレが本来の状態に近いものだった。

「ファウルを奪うことができた。最近では良い投球」と手応えを感じている。体調さえ戻れば、前田とともに先発陣の軸になるはずだ。

前半戦の先発陣で孤軍奮闘したマエケン。23 年ぶりの優勝はエースに次ぐ2番手以降の先発投手の出来次第だ



 4本柱の中で心配なのは野村だ。中盤で突然失点する傾向があった。首脳陣もつかみどころのない内容に頭を悩ませているが、修正能力があることは昨季で証明済み。昨年も7月以降に9勝を稼いだだけに、ここから巻き返す力はある。

 問題は5人目以降の先発陣。8月からは6連戦が続き、ローテは6人で回さなければならない。残り2枠に誰が入るか。候補としては・・・

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