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第6戦までもつれたCSファイナルステージ。3位から勝ち上がってきた日本ハムを、アドバンテージを含め4勝3敗で退け、2011年以来3年ぶり15回目の日本シリーズ出場を決めた



交流戦成績:24試合14勝8敗2分勝率.636[2位]/対阪神成績:2勝2敗[ホーム1勝1敗、ビジター1勝1敗]/○数字はリーグ内順位



不安残る先発陣を支える強力リリーフ陣


 CSファイナルステージで6試合を戦い、先発投手の配置に悩まされることになった。リーグ優勝決定試合(対オリックス、ヤフオクドーム)とCS初戦、第6戦に先発し、安定した投球を見せた大隣を軸にしたいが、昨年、黄色じん帯骨化症を発症し、その手術明けであることを考えると、最終登板から中5日で第2戦、さらに中6日で第7戦を任せるのが妥当。残るはCSの内容から武田、中田、スタンリッジが確定と見られる。

 注目はCSファイナル第3戦で2回7失点と結果を残せなかった攝津。シーズン最終登板の9月24日の楽天戦(ヤフオクドーム)も3回6失点KOで、秋山監督も「良くない感じに見えるね」と表情を曇らせている。エースの立場を尊重するか、あくまで状態優先でポストシーズンでの先発がない飯田を組み込むか。シリーズの一つのカギとなりそうだ。

 ただ、森、五十嵐、サファテの勝利の方程式を中心にしたリリーフ陣は質、量ともに盤石。先発は5イニングを投げ切ることに全力を注ぐ。

好調打者はいる!カギは打順の配置


 6試合を戦ったCSファイナルでは一番・柳田、三番・内川、四番・李、七番・吉村が状態の良さを示した。その一方で、今宮と中村が打線の流れを分断し、明石を二番に組み込むなど、打線を組み替えて戦った。「タイムリーが欲しい。走者は出ているのだから」と藤井打撃コーチ。

 チャンスを作りながらの詰めの甘さも目立ち、拙攻を改めなければ、3年ぶりの日本一はおぼつかない。

 6試合を戦ったCSファイナルでは一番・柳田、三番・内川、四番・李、七番・吉村が状態の良さを示した。その一方で、今宮と中村が打線の流れを分断し、明石を二番に組み込むなど、打線を組み替えて戦った。「タイムリーが欲しい。走者は出ているのだから」と藤井打撃コーチ。

 チャンスを作りながらの詰めの甘さも目立ち、拙攻を改めなければ、3年ぶりの日本一はおぼつかない。

セ・本拠の戦いこそ強大戦力の見せどころ


 今季の交流戦は2勝2敗の五分の星。6月9日の甲子園では昨季まで阪神に在籍したスタンリッジが完封勝利を挙げた。「阪神の選手はみんな友達。対戦を楽しむよ」。自然体を装いつつ、自身初めての日本シリーズを古巣と戦う偶然に力を入れる。

 また、DH制のない甲子園での戦いでは、李が一塁へ入り、相手投手の左右によって右翼に中村と吉村を使い分けることになる。控えのメンバーも豪華だ。最重要局面の代打には右足首の故障でスタメンから外れている長谷川がいる。そのほか、江川、松中の2人をスタンバイさせる。また、左手薬指を骨折していた本多が実戦に復帰。急ピッチの調整が間に合えば、内野のバックアップ、代走要員としてこれ以上ない心強さだ。

 一戦必勝の戦いの中で、投手交代も絡めながら最善の手を打つのが、今季限りで退団する秋山監督。「日本一を達成するまでそのことに集中する」。最後のタクトで二軍監督時代から10年にわたり見続けてきたチームに日本一を引き寄せる。

日本シリーズ予想先発

先発5人目の枠の選択に注目。不調が続く攝津だが、エースの立場を尊重するか、それともCSでの先発がない飯田にかけるか。リリーフ陣ではCSファイナルステージ第5戦で森、五十嵐、サファテがいずれも失点したが、立て直して臨みたい



ピッチングスタッフ
△=左投げ。表の左はレギュラーシーズン、右は2014対阪神成績


予想オーダー[DH制あり]
△=左打ち、□=両打ち。表の左はレギュラーシーズン、右は2014対阪神成績


予想オーダー[DH制なし]
△=左打ち、□=両打ち。表の左はレギュラーシーズン、右は2014対阪神成績


SUBSTITUTION
△=左打ち、□=両打ち。表の左はレギュラーシーズン、右は2014対阪神成績

吉村が好調で、CSファイナルステージでは勝負強さを発揮した。DH制のない甲子園では中村の状態を見極めたうえで、右投手が先発のときでもオーダーに名を連ねる可能性も。また、本多が間に合えば、さらに選手層に厚みが増す



頂点へのキーマン:長谷川勇也[外野手]


ベンチにいても卓越した存在感

 CSファイナル初戦、サヨナラ打を放ったのは吉村だったが、それを演出したのがネクストでにらみを利かせた長谷川だった。一死二、三塁で一塁は空いている状況。日本ハム・栗山監督は「吉村を三振で長谷川を敬遠。二死満塁で勝負」の青写真を描いていた。9月3日のオリックス戦で右足首を故障してから代打に回り、以降、13打数5安打の勝負強さを誇る。「自分にできる限りの仕事をするだけ」。ベンチに座っているだけでも戦力になる、頼りの男だ。
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