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クライマックスシリーズを勝ち上がった王者が雌雄を決する、2014シーズン最高峰の戦いである日本シリーズ。果たして、緊張感漂う一戦で勝者となるためには、どのようなことが重要となるのか。選手、コーチで日本シリーズ経験のある、荒木大輔氏に聞いてみた。
取材・構成=小林光男 写真=小山真司

内角攻めで主軸の打撃を崩す。初打席の攻め方が重要になる


 投手目線で考えると日本シリーズをはじめ短期決戦ではやはりマークする選手を決め、シリーズを通して仕事をさせないようにすることが重要になってくるでしょう。

 例えばプレーオフですが、私が西武で投手コーチを務めていた2004年、第2ステージで対戦したダイエー(現ソフトバンク)の主砲・松中(信彦)を抑え込んだことが思い出されます。

 同年、西武投手陣は松中に対してシーズンで打率.407、9本塁打、20打点と打ち込まれていました。四番を抑えないと勝機はない──。

 そこで体を開かせ、打撃を崩すためにプレーオフの最初の打席ですべて内角、しかもボール球を投じることを先発の石井貴に指示しました。結果的に歩かせて、それが失点に結びついても仕方ない、と割り切って。結局、松中に対して四球となり、初回から2点を失って、3対9と大敗を喫しました。しかし、松中の打撃は狂い、第2ステージを通して19打数2安打、打率.105と封じて、3勝2敗でダイエーを下して西武は日本シリーズへとコマを進めることができたのです。

 ユニフォームを着ていたヤクルト時代の1993年日本シリーズも内角攻めがカギとなりました。相手は西武でしたが初戦の先発は同年、11勝の西村(龍次)、10勝の川崎(憲次郎)ではなく、8勝の私でした。そこには野村(克也)監督のある意図がありました・・・

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