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西武のユニフォームやフラッグを準備していたチームメート、クラスメートに囲まれて。マウンドで躍動する姿を見せることを誓った



文=田辺由紀子 写真=黒崎雅久

「18番を着けたい。そしてまずは2ケタ勝てる投手になりたい」


 報道で事前に西武が1位指名を明言していたが、それでも実際に名前を呼ばれると、表情を緩め、汗ばんだ額をぬぐった。

 1年前の甲子園優勝投手。全国制覇からわずか1年2カ月だが、その時間は決して順風満帆ではなかった。連覇への注目が集まる中で、練習中のケガ、あっけない予選敗退。甲子園優勝という経験があこがれでもあったプロへの道を現実のものとして意識できるまでにしてくれたが、その光がまばゆい分、苦しみも大きかったはずだ。「今年は結果が出なかったので、いい評価ではなかったと思う」と17歳は胸の内を打ち明けた。

 急成長、苦悩――3年間、その姿を見続けてきた荒井直樹監督は、しかし、教え子がこれから臨もうとしている厳しい世界において、「この1年間の苦しい時間が今後のプラスになる」と考えている。投げられない期間は、地道なトレーニングに充て、より大きく成長するための時間とした。「逆風のときにこそ力がつく。そういう経験が次に生かされる」と、これまでも1つ1つ課題をクリアして来た高橋の姿に、確かな成長の跡を感じている・・・

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