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2年連続最下位からの脱却へ、そのカギを握るのが5年目の山田哲人だろう。昨シーズン最多安打を獲得し、ベストナインにも選ばれるなど日本を代表する打者へと変貌を遂げた。このインタビューではそんな22歳の野球に対する考えに迫っていく。ヤクルトが台風の目となればセ・リーグの優勝争いはさらに面白くなる。今季のペナントレースを盛り上げる存在であること間違いなしの、背番号23に注目だ。
取材・構成=阿部ちはる 写真=井田新輔、BBM

打撃編:自分のスイングをする




──山田選手が打撃で一番大事だと考えていることを教えてください。

山田 とにかく塁に出ること。フォアボールでも、ヒットでも。

──ですが四球よりもヒットの方が効率よく打率が上がるのでは?

山田 無理をしないと言いますか、ボール球に手を出してもヒットはあんまり出ないと思いますし、出塁率の方が大事かなと思っています。

──昨季はシーズン前に少し打撃フォームを変えたそうですね。今年はいかがですか。

山田 フォームは変えないです。

──ではフォームでこだわっている部分は?

山田 ピンッ!

──(笑)。バットを立てるところですね。そこにはどういった効果が?

山田 基本的に僕はバットを寝かすよりも立てた方がいい打球がいくんです。寝かせて打つとなぜかゴロになるんですよ。なので、バットを立てて打つように、意識しているんです。と同時に、それでタイミングを取っています。

──そのタイミングとは?

山田 ピッチャーの腕が上がってくるときに、ピンッてタイミングよく上げる。

──投手によって違いますよね?

山田 違います。なので、(バットを)立てるタイミングも全然違いますし、そこで計って、手でタイミングを取るという感じですね。ネクストバッターズサークルで確認して打席に入るようにしています。

──ストライクゾーンはどのようにとらえていますか? 例えばストライクゾーンを9分割で考えてコースを決めて打ちにいく、など。目付けという言葉もありますが、バットを振る際に考えていることを教えてください。

山田 そんなの考えたことないです……。目付け?

──どこのコースに来たら打とう、とは考えていない。

山田 それは1球1球変わりますよ。でも基本的にコースではなく球種で張っているんで、インコースであろうが外であろうが、打ちにいきます。場合によってはそうする(コースで張る)こともありますが、そのときは内か外かのどっちかで張りますね。

──コースで張るときはどういったときですか?

山田 気分(笑)。自分の直感ですよね。

──昨年は一昨年に比べて得点圏打率が大幅に上がっています(13年.188、14年.344)。出場試合数が違うので単純に比較することはできませんが、チャンスの場面で、考え方に変化があったのでしょうか?

山田 一昨年は、「(走者を)かえさなきゃ!」という意識が強かった。でも去年はランナーがいてもいなくても「ヒットを打つ」という意識を持っていました。違いはそれだけですね。今では「絶対かえさなきゃ!」とは思わないですし、「自分はヒットを打てばいい」とつなげる意識です。

──そう思えるようになったきっかけはなんだったのでしょう。

山田 ヒットを打てば自然にランナーがかえってくる、と思えるようになりました。一昨年は「ヒットを打たなきゃ! 走者をかえさなきゃ!」と。「打たないといけない」という気持ちが強かったです。

──レギュラーが確立されていなかったことで、気持ち的にも追い込まれていた。

山田 そんな感じです。でも・・・

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