2000年代の半ばに黄金時代を築いたドラゴンズ。ち密な野球の上に勝利を積み重ねたかつての姿はないが、それに負けないくらい、今季の中日は魅力的だ。2000年からチームを間近で見続けてきた筆者が感じる変革の波とは――。 文=森貴俊(東海ラジオアナウンサー 『選手の入れ替え』と『育成』。
どのチームもこれを毎年考えているが、なかなか成功しない。しかし、これまで「ベテラン依存度が高い」と言われてきた中日ドラゴンズが今、変わろうとしている。
今シーズン、ここまで
谷繁元信監督兼選手は9割監督と言ってもいい。開幕直後には
森野将彦が骨折、昨年からの
和田一浩の故障もあり、
岩瀬仁紀、
山本昌も開幕一軍に姿はなかった。ドラゴンズの顔であり、常勝時代を支えた選手たちは今、最前線にいない。そんな中、叫ばれ続けたファンの願い、若き世代の台頭は若竜たちに届きつつあるのだ。
昨年の4月のオーダーに目を向けてみる。外国人を除けば、日本人の年齢20代は
大島洋平と
平田良介の2人だけだった。今年は、30代が
藤井淳志と
荒木雅博の2人だけ。あとは20代で構成されている。
カラーも変わりつつある。常勝時代のドラゴンズは文字どおり、常にセ・リーグの順位表で上位にいた。チームホームラン数、得点、盗塁は決まってリーグ最少。しかしチーム防御率はリーグトップ。チーム失点、失策数はリーグ最少。ディフェンス野球で守り勝つ。これが当たり前の光景だった。しかし今年はどうだろう。5月2日時点で失策数はリーグワーストながら、得点や盗塁数もリーグ上位(2位、1位タイ)となっている。
ここに谷繁監督兼選手の“我慢と挑戦”がある。若い選手が多く出場するのにはリスクが伴う。時には敗戦に直結してしまう。首脳陣も覚悟し、我慢する。それでも結果がついてきているのはなぜか・・・
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