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山田哲人本塁打王&盗塁王への挑戦

山田哲人 本塁打王&盗塁王への挑戦

 

7月10日のDeNA戦でプロ初の四番に座った山田。第1打席で本塁打を放つ強心臓ぶりも見せつけた(写真=大泉謙也)


これほどまでの活躍を誰が予想しただろうか。昨季、日本人右打者のシーズン最多安打数を塗り替えたヤクルト山田哲人は、今季さらなる未知の領域へと足を踏み入れようとしている。細い体から繰り出される快音、そしてグラウンドを駆け抜ける快足。どちらも兼ね備えた背番号23の“打”“走”にファンの目は釘づけとなる。

プロ野球史上初の本塁打王&盗塁王獲得なるか!?


 打力の勲章である本塁打王。快足の証しである盗塁王。この2つのタイトルを同時に獲得した選手はプロ野球史上、存在しない。だが今季、ヤクルトの・山田哲人が前人未到の快挙を視野に入れている。

 前半戦終了時点で84試合に出場し、リーグトップタイの19本塁打を放ち、同2位の15盗塁。さらに打率.306は同4位で、48打点は同3位。史上初の三冠王&盗塁王さえも射程圏にとらえている。

 昨2014年。プロ4年目を迎えた山田の打棒はすさまじかった。日本人の右打者で、史上最多のシーズン193安打を記録。打率.324、29本塁打はともにリーグ3位で、89打点は同4位。さらなる飛躍が期待された今季はしかし、広がったといわれるストライクゾーンに苦しんでいた。開幕直後こそ好調も、その後は低迷。5月6日には打率.242にまで下がった。

「今までのストライクゾーンの感覚だと、見逃し三振になっていました。僕は三振をしたくないから厳しい球をケアするけれど、ケアをし過ぎてボール球を振っていた。ボール2、3個分、広く感じることもありました。でもバットを振れば、ポテンヒットになることもある。振らないと結果は出ないですからね」

 冷静に自己分析し、すぐさま低迷打破につなげた。5月19日のDeNA戦からの9試合で40打数21安打、打率.525と大爆発。3安打した5月27日の日本ハム戦で打率3割(.305)に到達した。さらに、6月に入ると本塁打を量産。6月24日の中日戦からの12試合で8本塁打。7月10日のDeNA戦では、左内転筋を痛めて離脱した畠山和洋の代わりにプロ入り初の四番に座り、2回の四番初打席でアーチを放ってみせた。

「四番でしたが、打席では一番や三番と同じ緊張感で臨めました。僕の場合、ホームランは狙っていません。あくまで本塁打はヒットの延長線上にあるものだし、僕はアベレージヒッター。パワーヒッターと勘違いしないように、ヒットを打ち続けたい」

 こう話す山田に、本塁打王獲得の可能性はあるのか・・・

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