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横浜DeNAベイスターズ特集

打力でDeNAをけん引する2人の助っ人野手

 

日本一に輝いた1998年以来となる前半戦を首位で折り返したDeNA。チーム打率.259、68本塁打、300打点はそれぞれリーグトップの打力が首位争いを支えた。この攻撃力は三冠王を狙える位置に付ける筒香嘉智の後ろに控えるロペス、バルディリスの存在抜きには語れない。初のクライマックス・シリーズ(CS)進出、そして17年ぶりのペナント奪還のカギは両助っ人が握っている。

若いチームの良き教材


 土砂降りの雨がやんだ瞬間、今度は歓喜の声援が降り注いだ。7月15日の巨人戦(横浜)。前半戦最後の一戦は2対2のまま9回を迎えた。二死満塁で背番号2が打席に向かう。その直前には筒香嘉智が敬遠された。「より集中していたし、燃えていた」

 クローザー・澤村拓一の2球目、鋭い打球が三塁・村田修一のグラブをはじき、左翼へ転がった。今季4度目のサヨナラ勝ちだ。巨人戦6連勝で2007年以来となる勝率5割ターンとし、首位に返り咲いた。揺れるスタンドを背に、お立ち台でロペスは「チームに貢献できて、ここにいることをうれしく思います」と温和な笑顔を浮かべた。



 規定打席到達者では得点圏打率.198とリーグワーストに沈んでいたが、勝負強さは際立っていた。4月11日の中日戦(ナゴヤドーム)では先制を許した直後の2回無死一塁からバックスクリーン左に逆転2ランをたたき込む。1点差に迫られた8回一死では外角のスライダーを強振した。この試合、2本目となるアーチを豪快に左翼席中段まで放り込んだ。「又吉(克樹)がどういう投手かは分かっている。1球目もスライダーだったので狙いどおり。完ぺきな当たり」。巨人時代から自宅や宿舎で対戦相手の映像を繰り返して見るなど研究を怠らず、研ぎ澄まされた感覚をいかんなく発揮した。

 打率.294、39打点、15本塁打。一時は本塁打、打点でリーグトップに立ち、序盤の快進撃を支えた。巨人時代の2年間を経て、来日3年目で今季は初めてオールスターにも選ばれた。それも、選手間投票での選出に「興奮しているし、他チームの選手の方たちにも選んでもらえたことに感謝したい」。メジャー・リーグ、マリナーズ時代の2006年以来となる球宴の舞台を心から楽しんだ。初戦では3安打の固め打ちで、敢闘選手賞まで獲得した。

 もちろん、停滞した時期も過ごした。それでも、中畑清監督から直々に打撃指導を受け、しっかりと修正した。凡打を繰り返しても、下がったベンチで決してイラ立ちを表に出さない振る舞いは若いチームの良き教科書となっていた。スペイン語で少年や青年を意味する「チャモ」の愛称で呼ばれるベネズエラ出身の大砲は、口グセのように繰り返す。「自分の数字は気にしていない。優勝するために頑張るだけ」

勝利へ導く価値ある長打力


 一方、来日8年目、チームに加わって2シーズン目のバルディリスは・・・

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