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2015年に生まれた大記録たちを一挙紹介!

 

今週号で取り上げた他にも、2015年ペナントレースでは偉大な記録がいくつか生まれている。シーズンに刻まれた数字とデータをここにまとめておこう。
※記録は9月27日時点

中日・谷繁元信
足かけ27年、最多出場記録更新




 今季限りで現役を引退する中日谷繁元信監督兼選手が7月28日の阪神戦(ナゴヤドーム)で通算3018試合出場のプロ野球新記録を樹立した。1989年ドラフト1位で入団した大洋(現DeNA)での初出場から足かけ27年、捕手一筋で築いた数字がついに野村克也が持つ「3017」(80年の引退時に記録)の偉大な記録を超えた。

 谷繁が打ち立てた「3018」は実に35年ぶりの記録更新となり、さらに数字を「3020」まで伸ばした。歴代記録トップ10で捕手のランクインは谷繁と野村の二人だけである。谷繁に次ぐ現役トップの出場数は38歳・新井貴浩(広島)の2081(歴代35位)。さらなる記録更新には、しばらく時間がかかりそうだ。



西武・中村剛也
満塁本塁打数で世界の王超え




 8月9日、オリックス戦(京セラドーム)の8回表、西武中村剛也が塚原から今季31号となる史上最多の通算16本目の満塁本塁打を放った。7月24日の日本ハム戦で王貞治(現ソフトバンク会長)の持つプロ野球記録15本に並んでいた。単独首位となる満塁弾を放った中村は「ほぼ会心の当たり。抜いてしまって……。普通にうれしいです」と140メートルのグランドスラムを振り返った。

 二人の満塁本塁打率を比較すると、王貞治は通算868号のうち15本で1.72%。一方の中村は通算309本(9/27時点)のうち16本で5.17%となり、単純計算で20本に1本が満塁弾ということになる(ちなみに歴代5位の“満塁男”駒田徳広は6.66%!)。「こればかりは巡り合わせ。簡単ではないですよ」とおかわり君は言うが、今後この記録がどこまで伸びるのか注目が集まる。



DeNA・山崎康晃
90年与田を更新、新人セーブ記録




 亜大から2015年ドラフト1位でDeNAに入団した山崎康晃が1990年に与田剛(当時中日)が記録した31セーブを塗り替えた。同じ新人という立場で、前年に21セーブを挙げた守護神・三上朋也がキャンプで肩の違和感から戦線離脱。そこで150キロの真っすぐと変化球で三振を奪うことができるルーキー山崎がクローザーに抜擢されたのだった。

 ショートイニングで威力を発揮したのが、ツーシーム。スプリットのように鋭く落ちる魔球を駆使しDeNAのペナント首位ターンに大いに貢献した。8月20日のヤクルト戦(横浜)で32セーブ目を挙げ、25年ぶりに記録を更新。



楽天・松井裕樹
最年少での30セーブ




 高校時代は桐光学園のエースとして甲子園で1試合22奪三振の大会記録を樹立した左腕がプロ2年目で新たな適性を見いだされた。今季、抑えに転向すると開幕から13試合連続無失点と結果を出し、新クローザーのポジションを確立。ダイナミックなフォームから繰り出される真っすぐとキレのあるスライダー、そしてチェンジアップを決め球に安定した投球を披露している。

 9月20日のオリックス戦(コボスタ宮城)では2点リードの9回にマウンドに上がりオリックス打線を3者凡退に封じこめ、10代(19歳)では史上初となる30セーブ目を挙げた。10代で抑えを務めた投手には、1995年の平井正史(当時オリックス、15勝5敗27セーブ)らがいるが、30セーブ到達は史上初。また、現在19歳(95年10月30日生まれ)の松井裕は満年齢では20歳シーズンとなるが、これまで30セーブ到達投手の最年少記録だった23歳シーズンも更新している。



その他の主な記録トピックス


◆高卒入団から27年連続本塁打の新記録

 最多出場記録のプロ野球記録をつくった中日の谷繁元信監督兼選手は打つ方でも別の記録を刻んでいる。5月4日の阪神戦(甲子園)の4回に1号3ランを放ち、自身が持つプロ野球記録の連続シーズン本塁打を27年に伸ばした。1989年にドラフト1位で大洋(現DeNA)に入団から引退する今季まですべてのシーズンで本塁打を記録したことになる。

◆6年目で到達史上最速1000安打

 阪神のマートンは、9月3日の広島戦(甲子園)でNPB通算1000本安打を達成。2010年の阪神入団から6年目での到達は、日本人を含めてプロ野球最速年数。達成試合数は歴代5位の809試合で、1位はイチローの757試合。

◆来日以来負けなし9連勝でパ新記録

 ソフトバンクの新外国人、バンデンハークがパ・リーグ新記録となるデビュー9連勝を9月16日のオリックス戦で記録。これまでのリーグ記録である1956年に稲尾和久(西鉄)、01〜06年の愛敬尚史(近鉄〜楽天)が持つ8連勝を抜いた。来日1年目の外国人デビュー記録としては初の快挙。

◆入団から8年連続50試合登板

 日本ハムの宮西尚生が、9月22日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で史上6人目の8年連続50試合登板を達成。入団からの記録としては金田正一(国鉄)、米田哲也(阪急)、山口鉄也(巨人)に並ぶ歴代3位タイ。

◆10連勝でセ新記録、両リーグでは3人目

 9月24日、広島戦(東京ドーム)に先発した巨人のマイコラスは8回途中まで無失点に抑える好投で6月10日の中日戦から数えて10連勝を記録、セ・リーグの外国人投手では新記録となった。両リーグでの外国人シーズン10連勝以上は11連勝のスタンカ(64年、南海)、10連勝の郭泰源(88年、西武)に次ぐ3人目の記録。

◆デビュー登板から負けなし記録更新中

 巨人の中継ぎ・左腕、高木京介が2012年の一軍初登板から続く負けなしの記録を更新中。5月14日、広島戦(東京ドーム)で登板117試合連続無敗の日本記録を樹立。9月27日時点で138試合まで数字を伸ばしているが、「勝敗に関係のない場面で登板しているということ」と本人が語るように、大事な場面でマウンドを任されるにはベンチの信頼を積み重ねていくしかない。

◆43イニング連続奪三振の新記録

 ソフトバンクの守護神・サファテが8月2日、西武戦(西武プリンス)の9回に2三振を奪い29イニング連続奪三振のプロ野球記録を塗り替えた(前記録は02年に張誌家[西武]がマークした28イニング)。9月13日の楽天戦(コボスタ宮城)で更新が途絶えるまで、43イニングまで記録を伸ばした。

◆プロ野球タイ記録4打数連続HR

 ヤクルトの山田哲人が8月22日の中日戦(神宮)でプロ野球記録に並ぶ4打数連続本塁打を記録した。前日の同カード8回にソロ、22日は1回ソロ、5回2ラン、6回3ランを放った。4打数連続本塁打は2013年のバレンティン(ヤクルト)以来、19人目(通算20度目)。
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