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特集・今年生まれた10の記録 その真相に迫る!
西武・秋山翔吾はイチローに迫れたのか?

 

今年、歴代3位タイの31試合連続安打を放ち、シーズン最多安打216も打ち立てた秋山翔吾(西武)。チームのトップバッターとして十分な働きを見せたが、21年前、オリックスのリードオフマンとして安打を積み重ねた男がいた。3年目のイチロー。彗星のごとく現れた男は210安打をマークして、今や世界のイチローとなった。安打量産に欠かせない“3要素で”、両者を比較してみよう。



ボールを的確にとらえ広角に記録した安打


 世界の安打製造機が興味を示した。マートン(阪神)が2010年にマークしたシーズン最多安打214を更新する216安打を10月1日のオリックス戦(京セラドーム)で放った秋山翔吾。自らが1994年に記録した日本人シーズン最多安打210をも上回る大記録に、イチローは(マーリンズ)は「いい選手のプレーは見てみたいですよ、いつだって」とつぶやいた。

 メジャー・リーグの世界でも安打でファンを魅了した男は、自身の記録について「いずれ誰かが超えるだろうと思っていました」とも言った。イチローが記録を達成した当時の試合数は130。その後、少しずつ増え続けて07年からは144、そして今年は143試合制だった。94年のイチローの安打数を143試合に換算すると231だから、あらためて背番号51の偉大さが浮かび上がる。

 とはいえ、秋山の記録が色褪せるわけではない。昨年まで13年に残した152安打が自身のシーズン最多だった秋山は今年、飛躍的に数字を伸ばした。その打撃を分析すると以下の3つの要因が挙げられるが、それは94年のイチローにも当てはまるストロングポイントだ。

 1つ目は広角に安打を積み重ねられるようになったこと。



 昨年までは秋山の左翼+左中間方向への安打は29.3%だったが、今年は34.3%へ上昇。「ボールの内側をたたくこと」に取り組み、その結果、左方向へ強い当たりが飛ぶようになった。イチローは右翼方向への安打が34.3%と最も割合が高いが、左翼へも25.2%と低くはない。この成績で秋山とイチローの差異といえば・・・

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