今季、6度目の本塁打王に輝いた中村剛也(西武)。通算でも300本を超え、球史に残るアーチストだが満塁でも抜群の力を発揮する。今季、満塁で4アーチを放ったが、通算でも16本を数え、王の15本塁打を抜き去り、史上1位に躍り出た。「ごちそうだ」とばかりに満塁でペロリとランナーをたいらげる、おかわり君。満塁本塁打の軌跡をたどる。 満塁のチャンスにHRの意識はない
「ほぼ会心ですね」
誰よりも本塁打を追い求める男が、静かに言った。8月9日、
オリックス戦の8回二死満塁。
塚原頌平が投じた外角144キロ直球にバットを振り抜くと、打球は京セラドームの左翼5階席へ。推定飛距離140メートルの特大弾は
王貞治を超えて、歴代1位の16本目の満塁アーチとなった。
中村の満塁デビューは2003年のことだ。死球を選んで押し出しだったが、続く04年は4打席に立ち安打は出ずに1死球。初めて一発が飛び出たのは05年6月26日の
楽天戦(長野)。
紀藤真琴から左中間へ運んだ一撃だった。ちなみにこれが満塁での初安打。最初から満塁弾と縁があったことになる。9月11日の
ロッテ戦(インボイス)でも
黒木知宏から満塁弾を放ったが、結局この年満塁で放った安打はこの2本のみだった。そこから今年まで16本を積み重ねたが・・・
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