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特集・真の「黄金世代」を探れ!
1988年生まれ 球界を背負うプラチナ世代のベストナイン

 

 スポーツ界において十代から活躍する選手が多いのが1988年世代だ。最も長く活躍しているのが卓球の福原愛だろう。「天才卓球少女」として人気を集めテレビ初登場はなんと4歳!体操の内村航平は19歳でオリンピック銀メダリストになった。球界では高校1年時に甲子園に出場した前田健太(PL学園高、現ドジャース)、3年時にはハンカチ王子の愛称で佑ちゃんフィーバーを巻き起こした斎藤佑樹(早実、現日本ハム)、その敵役(?)としても注目されたマー君こと田中将大(駒大苫小牧高、現ヤンキース)などがおり、20代になれば斎藤佑とともに早大で大学野球界を盛り上げた大石達也(西武)、八戸大の塩見貴洋(楽天)などが活躍。そして愛ちゃんは23歳でついにオリンピック銀メダルに輝いた。

 多くのスポーツ選手を輩出した背景には学習時間と内容を減らし個性を生かす教育を目指す“ゆとり教育”が少なからず関係しているだろう。地域にもよるが土曜日の授業は中学生を迎えたあたりからなくなっていった。そこで増えたのが部活時間。このころは(これもすべてに当てはまることではないが)、まだまだ厳しい指導者が多く、土日は部活三昧に。だが、この世代はラクなことばかりではないのだ。92年前後と言われるバブル崩壊だが、88年にはすでに始まっており、バブル景気をまったく知らない。さらに、大学に入れば就職難で、何百社と就職試験を受けた学生も多い。そしてようやく就職できた会社では「これだからゆとり世代は……」と揶揄されることが非常に多いのも特徴だ。

 ただそのおかげで、反骨心と粘り強さが培われ、また個性を伸ばす教育のおかげでそれぞれの舞台で厳しいスポーツ社会を生き抜き、輝きを放っているとも言える。

 野球界では中堅と言われる年齢。下記に掲載できなかった選手では吉川光夫(日本ハム)、松永昂大大嶺祐太(ロッテ)高橋朋己(西武)、石山泰稚秋吉亮(ヤクルト)、小山雄輝(巨人)などがいる。現役最強と言える88年世代は、NPB、MLB含め今後も注目すべき選手ばかりだ。ちなみにプロ入り後、マー君は楽天のエースとしてチームを球団初の日本一に導いたが、佑ちゃんは伸び悩んでしまった。そしていつしか「ハンカチ世代」から、「マー君世代」へと呼び方が変わっていった。マー君はこの称号を守り切れるか!?

生まれた年のデータ
■優勝チーム/セ=中日、パ=西武、日本一=西武
■甲子園優勝/春=宇和島東高[愛媛県]、夏=広島商高[広島]
■同学年の他競技アスリート/福原愛(卓球)、内村航平(体操)、香川真司、吉田麻也(サッカー)、井岡一翔(ボクシング)
■主な出来事/東京ドーム完成、ソウル・オリンピック開催、世界最長の青函トンネル(58.85km)開通、ドラゴンクエストIIIが社会現象になる
■流行語/今宵はここまでに(いたしとうござりまする)、ペレストロイカ、オバタリアン、セクハラ、ママドル、おたく族

ベストオーダー
1(右)秋山翔吾
2(二)亀澤恭平

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