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特集・革新のニューヒーロー
ブレーク寸前!2016年・注目すべき若人たち8選手

 

ロッテ・平沢大河/開幕スタメンも射程内


ひらさわ・たいが●1997年12月24日生まれ。宮城県出身。176cm76kg。右投左打。仙台育英高-ロッテ16年1位。1年目。将来の主力の期待を一身に背負うスター候補生。パンチ力ある打撃と好守、俊足が武器のショートストッパー。キャンプから一軍帯同を続けている



 抜群の甘いルックスから各種イベントやポスターなどに引っ張りだこの黄金新人。もちろん攻守走で実力も備えており、中でも自負のある打撃で、早々にポテンシャルの高さを見せつけた。3月2日に行われたイースタン教育リーグのヤクルト戦(ロッテ浦和)で、館山昌平からの二塁打を含む4打数3安打1四球の活躍。「実績ある選手から打てて自信になる」と手応えを得た。

 練習はもっぱら遊撃手としてこなしており、ライバルはキャプテン・鈴木大地と手強い。しかし二塁、三塁を守ると見られていたナバーロが開幕から4週間の謹慎処分を下され、鈴木がほかのポジションに回る可能性が浮上。開幕スタメンも現実味を帯びてきた。ナバーロ不在の間にアピールし、定位置を確立したい。

西武・高橋光成/堂々の投げっぷり


たかはし・こうな●1997年2月3日生まれ。群馬県出身。189cm90kg。右投右打。前橋育英高-西武15年1位。高校2年時、2013年夏の甲子園で優勝投手となる。15年ドラフト1位で入団。1年目の昨年、夏場に一軍昇格して5勝をマーク。史上最年少で月間MVP[8月]にも輝いた



 買い物がストレス発散法だ。

「お金が飛んじゃうんですけどね(笑)。でも、また頑張ろうと思える。野球への活力になりますね」

 今年、2年目を迎えた高橋光成。まだ、あどけない顔をしている19歳だが、マウンドでは一変する。先輩の森友哉が「高卒1年目から堂々としているのはすごい」と感嘆したように昨年、夏場に一軍昇格すると一気に5勝をマークした。自らのセールスポイントである“投げっぷり”をマウンド上で存分に表現。今年はさらに飛躍することが期待される。

「開幕先発ローテーションを目標に頑張って、それが叶ったら1年間ローテを守ることを考えたい」

 背番号17がシーズンを通して、一軍の舞台で躍動すれば、チームも浮上する可能性は高い。

巨人・重信慎之介/新生・高橋巨人の象徴?


しげのぶ・しんのすけ●1993年4月17日生まれ。千葉県出身。173cm70kg。右投左打。早稲田実高-早大-巨人16年2位。1年目。50メートル5秒7の驚異的な脚力を持つ。打撃面でもミート力に長けており、球界の盟主・巨人において開幕一軍の可能性もあり得る



 スポーツ紙やテレビで見ない日はない。ルーキーながら、堂々ポジション争いに参戦中。競う相手は亀井善行大田泰示立岡宗一郎と、実績も経験も上回るが、高橋由伸新監督に「(開幕スタメンも)あり得るね」と認めさせるほど、キャンプで与えたインパクトは絶大だった。

 まずは50メートルを5秒7で駆け抜ける脚力だ。走者二塁の場面ならばワンヒットで生還は当たり前。走者一塁でも貪欲に次の塁を目指し、外野手がもたつこうものなら果敢にホームを陥れる。沖縄2次キャンプでは、右翼ファウルゾーンへの飛球で、一塁から二塁へのタッチアップを成功させるなど、「常に、次の塁を狙っている」という積極走塁で指揮官を喜ばせた。コリジョンルールが採用される今季は、その足が大きな武器となりそうで、走塁のスペシャリスト・鈴木尚広とともに終盤の切り札としても重宝しそうだ。

 早大4年秋には東京六大学で首位打者を獲得するなど、“青木宣親二世”などと呼ばれたが、1年目の現段階ではそれ以上の評価も。キャンプ中の実戦では22打数12安打、打率.545で、帰京後は2戦安打なしも、3月に入り連続安打で周囲を安心させた。まずは二番・左翼を争うが、攻撃的な足が新生・高橋巨人の象徴となるかもしれない。

オリックス・西野真弘/“笑顔”も魅力の巧打者


にしの・まさひろ●1990年8月2日生まれ。東京都出身。167cm68kg。右投左打。東海大浦安高-国際武道大-JR東日本-オリックス15年7位。2年目。チーム最小兵だが、巧打に加えてパンチ力も秘める打撃が最大の武器。今季は二番打者として打線を活性化させる



 プロ2年目ながら、風格さえ感じさせる。外角のボールはキレイにヘッドを返して流し打ち、内角は腕をたたんで弾き返す。巧みなバットコントロールと鋭いスイングで低い打球を広角に打ち分ける姿に、キャンプを視察した侍ジャパン・小久保裕紀監督は「バットが出る角度が良い。センスを感じる」と絶賛。福良淳一監督もキャンプ中に「二塁は西野。打順は二番」と明言し、打線の“潤滑油”として高い期待が寄せられる。

 実力は昨季に証明済みだ。4月2日に代打でプロ初安打を放つと、4月下旬にはレギュラーに定着し、5月には11試合連続安打を記録。打率3割超をマークし、規定打席未到達ながら“隠れ首位打者”となり新人王候補の筆頭に挙げられた。だが、7月に右手首を骨折すると、そのままシーズンを終えた。それだけに「1年間やったわけではないので、もう一度1年目の気持ちで挑みたい」と今季にかける思いは強い。

 その実力と愛くるしい笑顔も相まって“人気”も上昇中。今年1月に神戸市内で開催されたサイン会には500人の“オリ姫”が集結したほど。「こんなに来てくれるとは」と目を丸くした西野だが、2年目の今季、フル出場を果たせば“成績”も“人気”も、さら上昇するに違いない。
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