12球団最長、24年にもわたってリーグ優勝から遠ざかっている広島。その中で、最も強く頂点を渇望している。広島を心から愛し、チームの苦境を救う頼れるベテラン。18年目のシーズンを前に、個人記録のことは一切、眼中にない。 取材・構成=菊池仁志、写真=湯浅芳昭、前島進、川口洋邦 39歳、体との会話
新井貴浩の18年目のシーズンが幕を開ける。2014年限りで阪神を退団し、昨季は古巣・広島に復帰。チーム最多の78試合で四番を務めるなど、125試合の出場機会に恵まれた。しかし、あらためて1年間戦ったことで得た課題もあった。39歳となる今季、自身の体とも向き合いながら、新シーズンをスタートさせる。 ――シーズンインが約1週間後に迫っています。
新井 毎年そうなんですけど、やっぱり不安ですよ。不安……。不安です。シーズンに入ってヒット1本打てるのか、ホームラン1本打てるのか、打点は挙げられるのか。いつもと変わらず、やっぱり不安です。でも、そんな中にも期待っていうのも少なからずあるんですよ。大きな目標がありますからね。それに向かってやってやるぞっていう気持ちがあります。
――大きな目標というと、「優勝」。
新井 そう。それ以外にありません。
――その目標に向かうチームにどう貢献したいと考えていますか。
新井 やはり打つほうですよね。とにかく打点を多く挙げられるようにやっていくだけです。頼りにされる存在でありたいと思いますね。チームが困っているとき、苦しいとき、それを助けられるバッティングで貢献したいと思っています。
――39歳になるシーズンです。昨季は125試合と阪神時代の14年の94試合から出場数を伸ばしました。まだ、フル出場への意欲は欠けていませんか。
新井 そりゃあ出たいですけれども、試合に出るためにはしっかりしたバッティングをしないといけません。好不調の波を小さく、ですね。
――そのためにも体は万全である必要がありますが、キャンプから体の状態は良さそうですね。
新井 シーズンオフからしっかりと体を、いままでにないくらいにいじめてきました。あれだけガッツリやったんだからという心の支えになるものも今年はあります。1年間、働き続けられるかはやってみなければ分からないものではありますが、現状はいいですよ。
――例年以上の取り組みをした理由は?
新井 年齢を重ねてきて、フィジカル的な部分は年齢とともに間違いなく落ちているんです。実際、去年も夏場以降、体が思うように動かなくなって苦しみました。これはもう1回、体をしっかりいじめて、鍛えて備えないといけないと思ったんです。40歳が近くなってきて、1年1年で結構な変化があるんですよ。
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