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2016年序盤戦通信簿

クローズアップ チームに新風吹き込むフレッシュヒーロー

 

序盤戦で印象的な活躍を見せた7人のフレッシュヒーローたちをクローズアップ。今後もこの男たちから目が離せない!

茂木栄五郎(楽天)・新人離れした脅威の身体能力



 本人が口にするセールスポイントは「初球から来た甘い球を見逃さず、思い切り振っていけること」。一言で言えば“好球必打”だが、口で言うほど簡単なものではない。むろん簡単とは思っていないだろうが、それをすんなりと実践してしまうところに非凡さを感じずにはいられない。

 最もインパクトを与えたのは4月10日、大谷翔平との対決での一幕だった。1打席目に中前打を放っていた茂木の第2打席。4回一死三塁の好機だった。外角低めに落ちる136キロのフォークをたたくと、鋭い打球は怪物右腕の足元を抜けて中前へと転がっていった。結果的にこれが決勝打となる。「絶対に外の直球が来ると思っていた中、コースの甘い変化球が来た」と振り返ったルーキーは「怖いもの知らずでした」と続け、いたずらっぽく笑った。

 171センチの体から、小技の利く技巧派と思われがちの選手。送りバント、ヒットエンドラン、ダブルスチールなどのサインにもしっかり適応するスキルの高い選手でもある。ただ、本人はそこを目指しているわけではない。開幕戦の第1打席で見せたセンター後方への大飛球。「手応えのあったあの当たりをサク越え、あるいはセンターオーバーにできなかったのは僕の力不足」。そう言って悔しさを隠そうとはしなかった。

 打球の勢いが殺されるうえ、バウンドも不規則となり、一般的に難しいとされる天然芝のグラウンド。当初は不慣れだったショートストップというポジションで、弾けるような動きを見せている。その身体能力と適応能力、恐るべしである。「ドラフト3位は過小評価」。早くもそんな声が飛び交い始めている。

細谷圭(ロッテ)・遅れてきたカモメ打線の導火線

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