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特集・鉄壁のリリーフ

一目瞭然!12球団“勝利の方程式”大解剖

 

ヤクルト 安定度=75点


7回(チーム失点=19):秋吉亮
18試合、1勝1敗3H0S、防御率2.16

8回(チーム失点=14):ペレス、ルーキ
11試合、1勝1敗1H0S、防御率8.16

9回(チーム失点=7):オンドルセク
14試合、0勝0敗1H7S、防御率0.00

その他の救援投手の起用法
松岡健一:10試合、1勝0敗0H0S、防御率3.29、起用法=何でも屋
久古健太郎:8試合、0勝0敗0H0S、防御率2.70、起用法=ワンポイント
中澤雅人:2試合、0勝0敗0H0S、防御率0.00、起用法=ワンポイント
村中恭兵:14試合、0勝0敗3H0S、防御率1.53、起用法=何でも屋
徳山武陽:2試合、0勝0敗0H0S、防御率15.43、起用法=二軍調整

 心配の種となっていたクローザーにはオンドルセクが座った。勝利の方程式を担う秋吉亮、ペレス、ルーキは開幕直後に痛打を浴びる場面が目立ちまだ安定感には欠くが、首脳陣からの信頼は厚く、このメンバーで戦っていくことになりそうだ。ただ、ペレスは先発投手の谷間を埋めるため5月7日に先発登板。昨年まで在籍したロマンのような働きにも期待されている。

 中継ぎとして登板を重ねている村中恭兵が好調で接戦の場面でも起用され始め、リリーフ陣はさらに安定した。ロングリリーフもこなせる徳山武陽が戻ればさらに充実しそうだ。

巨人 安定度=65


7回(チーム失点=25):山口鉄也
15試合、0勝2敗9H0S、防御率4.30

8回(チーム失点=12):マシソン
16試合、3勝0敗7H1S、防御率3.93

9回(チーム失点=10):澤村拓一
16試合、3勝0敗1H8S、防御率2.12

その他の救援投手の起用法
田原誠次:20試合、1勝1敗3H0S、防御率3.71、起用法=何でも屋
戸根千明:12試合、1勝0敗2H1S、防御率3.72、起用法=二軍調整
土田瑞起:7試合、0勝0敗0H1S、防御率6.48、起用法=二軍調整
小山雄輝:6試合、0勝0敗1H0S、防御率1.35、起用法=二軍調整
宮國椋丞:6試合、0勝0敗1H0S、防御率3.68、起用法=何でも屋
公文克彦:7試合、0勝0敗0H0S、防御率5.14、起用法=ワンポイント

 完投能力の高い菅野智之以外、先発陣(田口麗斗に1完投あり)が長いイニングを投げられず、開幕直後からリリーフの出番がかさむ。しかも、僅差の展開が多く、高橋由伸新監督は一貫して山口鉄也、マシソン(2人の順番は入れ代わることも)、澤村拓一の勝利の方程式にこだわり、彼らの疲労は懸念材料に。澤村の4度の救援失敗(無敗)についても、指揮官はその原因に登板過多を挙げている。先発のコマ不足も露呈しているが、リリーフ陣にも彼らに並ぶタレントの登場が期待される。ただし、田原誠次以外はまだ信頼を得られていない状況である。

阪神 安定度=75点


7回(チーム失点=15):高橋聡文安藤優也
16試合、2勝0敗5H0S、防御率2.13
11試合、0勝0敗2H0S、防御率0.00

8回(チーム失点=11):ドリス
11試合、1勝1敗4H0S、防御率5.06

9回(チーム失点=13):マテオ
16試合、0勝1敗2H9S、防御率1.56

その他の救援投手の起用法
榎田大樹:16試合、1勝1敗1H0S、防御率2.89、起用法=何でも屋
高宮和也:16試合、0勝1敗1H0S、防御率6.39、起用法=何でも屋
石崎剛:3試合、0勝0敗0H0S、防御率0.00、起用法=何でも屋
歳内宏明:9試合、0勝0敗2H0S、防御率3.00、起用法=二軍調整
福原忍:8試合、0勝0敗4H0S、防御率5.40、起用法=二軍調整

 昨年まで7回を安藤優也、セットアップを福原忍というベテランが担ってきた。しかし、昨年終盤から打たれる場面も見受けられ、さらに抑えの呉昇桓が退団したこともあり、再編を強いられた。

 そこで新たに中日から高橋聡文、新助っ人としてマテオ、ドリスを獲得した。開幕後、抑えのマテオは期待どおりの活躍。だが8回の福原が不調で二軍降格。しかし、代わりに入ったドリスがハマり、一軍昇格後の安藤も安定している。左の高橋と右の安藤で7回は万全の体制になってきた。これに福原が復調してドリスとダブルセットアップが出来上がれば、100満点の中継ぎ陣になる。

広島 安定度=70点


7回(チーム失点=22):ヘーゲンズ
7試合、1勝0敗2H0S、防御率0.93

8回(チーム失点=12):ジャクソン
15試合、0勝2敗7H0S、防御率1.10

9回(チーム失点=11):中崎翔太
15試合、0勝1敗1H7S、防御率2.40

その他の救援投手の起用法
今村猛:11試合、0勝1敗4H0S、防御率2.70、起用法=何でも屋
戸田隆矢:5試合、1勝0敗0H0S、防御率1.13、起用法=先発転向?
佐藤祥万:1試合、0勝0敗0H0S、防御率0.00、起用法=敗戦処理
小野淳平:3試合、0勝0敗0H0S、防御率5.40、起用法=敗戦処理
オスカル:10試合、1勝0敗1H0S、防御率9.82、起用法=二軍調整
中田廉:8試合、1勝1敗1H0S、防御率16.62、起用法=二軍調整

 開幕当初は新人のオスカルが7回に起用されていたが、不調で二軍降格。同じく救援として期待された中田廉もオスカルと同時に二軍行きとなり、イニング最多失点を喫している7回の再建が悩みのタネとなっていた。

 しかし野手のルナが故障で外国人枠が空き、昇格をつかんだヘーゲンズが好投。開幕当初から安定していたジャクソン、中崎翔太とともに方程式の確立に成功した。とはいえ、ルナ復帰後のヘーゲンズの起用法は不透明。オスカル、中田の復調に加え、現在はワンポイントに、回またぎにとマルチな働きを見せる今村猛にも期待したい。

中日 安定度=75点


7回(チーム失点=14):又吉克樹
18試合、2勝0敗5H0S、防御率4.02

8回(チーム失点=8):田島慎二
19試合、0勝0敗9H0S、防御率0.00

9回(チーム失点=9):福谷浩司
17試合、1勝0敗2H6S、防御率1.76

その他の救援投手の起用法
岡田俊哉:11試合、1勝1敗2H0S、防御率4.73、起用法=何でも屋
小川龍也:10試合、0勝0敗3H0S、防御率4.50、起用法=ワンポイント
福敬登:9試合、1勝0敗0H0S、防御率5.50、起用法=ロングリリーフ
阿知羅拓馬:5試合、0勝0敗0H0S、防御率1.35、起用法=敗戦処理
岩瀬仁紀:5試合、0勝1敗1H0S、防御率12.00、起用法=二軍調整
祖父江大輔:2試合、0勝0敗0H0S、防御率9.00、起用法=二軍調整

 現状を踏まえれば上の起用法がベストだが、実際にビシッと決まることは少ない。というのも、チームのイニング最多失点は5回(33)で、先発投手が崩れ、なし崩し的に救援投手が引きずり出されるパターンが多いため。田島慎二が19試合、又吉克樹が18試合、福谷浩司が17試合と、チーム全体の18勝とほぼ同数に登板していることがチーム事情を物語っている。

 解決する方法は、イニングイーターの大野雄大の復帰と、岩瀬仁紀や祖父江大輔、岡田俊哉ら実績ある投手の復調。それが長引いて又吉らの負担が続けば、昨季同様に崩壊の危険性もある。

DeNA 安定度=65点


7回(チーム失点=27):須田幸太田中健二朗
15試合、1勝2敗4H0S、防御率3.07
15試合、0勝0敗8H0S、防御率0.00

8回(チーム失点=12):三上朋也
14試合、0勝0敗9H0S、防御率3.21

9回(チーム失点=13):山崎康晃
12試合、0勝1敗3H6S、防御率2.38

その他の救援投手の起用法
熊原健人:3試合、0勝0敗0H0S、防御率0.00、起用法=何でも屋
野川拓斗:6試合、0勝0敗0H0S、防御率2.57、起用法=ワンポイント
ザガースキー:7試合、0勝0敗0H0S、防御率4.26、起用法=何でも屋
長田秀一郎:2試合、0勝0敗0H0S、防御率27.00、起用法=二軍調整
ペトリック:7試合、0勝1敗0H0S、防御率7.88、起用法=二軍調整
藤岡好明:9試合、0勝1敗2H0S、防御率1.13、起用法=二軍調整

 開幕直後に長田秀一郎、小杉陽太平田真吾福地元春と期待されていた中継ぎ陣が本来の力を発揮できず失点を重ねた。そのため、急きょ、日本ハムから右サイドの藤岡好明をトレードで獲得、さらに元広島の剛腕サウスポー、ザガースキーとタイプの異なる2投手を補強した。ロングリリーフも任せられる須田幸太、経験豊富な左腕・田中健二朗と合わせて、7回はなんとか形になってきた。ドラフト2位右腕、熊原健人も勢いのある投球でブルペンに活気を与えている。

 8回三上朋也、9回山崎康晃。多少の調子の良し悪しはあるものの、2人の方程式は揺るぎない。
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