現在の日本球界で最も投げられ、最も効果を発揮している変化球は何なのか。セイバーメトリクスの観点で各球種ごとにボール、空振り、ゴロといった結果をひも付けて集計していくことで、その変化球がどのような結果を導きやすいか、またどんな性質を持っているかが見えてくる。詳細なデータが裏付けする打者を苦しめている最強の“魔球”とは──。 データ&文=DELTA、構成=編集部、写真=BBM。※原稿内の数値やデータはすべて5月11日に集計 投球&打席結果から見えてくる球種ごとの特性
まずはセ・パ両リーグで5月11日までに投じられた計6万5883球について、球種ごとに結果をまとめた【表1】を見ていただきたい。上から投球割合順に並べており、
全投球の45.8%を占めるストレート、18.4%のスライダーといった順に、球界で数多く投じられていることを意味する。
そして、これらの球種がそれぞれどんな結果を引き寄せたかを示す各項目を左から順に並べている。「ストライク+ファウル%」は見逃しもしくは空振りでのストライク、もしくはファウルとなったケースがどれくらいあったかの数字でストライクを奪っていく際の「使い勝手」が大まかに表れている。
コントロールの難しい球種(カーブ、フォークボール、シンカー、チェンジアップ)は数字が低い。
「空振り%」は全投球に占める空振りを奪った割合だ。この数字からは決め球としての適性がうかがえる。
フォークボールやチェンジアップ、スライダーなどは、かなりの確率で空振りを奪えているのが分かるだろう。
「ゴロ%」はバットに当たってインプレーになった際、それがゴロであったケースの割合だ。
芯を外すのに使われるシュート(ツーシーム)をはじめ、縦の変化によってバットの下っ面に当たりがちなフォークボール、シンカーで高い数字を記録している。
打者を力で封じた際に上がりやすい
内野フライはストレート、スライダー、カットボールなどでよく記録されるようだ。このあたりは球種に対する一般的な印象に近い結果ではないだろうか。
スライダーとゴロ%の高いシュートを有効活用する菅野
ここからは各球種の優れた使い手を見ていく・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン