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2016後半戦大展望

中西太氏が語る「日本ハムの逆転優勝の可能性」

 

15連勝はあったが、ソフトバンクと差を詰め切れなかったパの2位・日本ハム。日本ハム初代監督である中西太氏に、逆転Vの可能性を聞いた。


相乗効果で成長する大谷


 少し差は開いとるけどパ・リーグは、ソフトバンクと日本ハムのマッチレースになったな。ワシは別にどのチームにも肩入れはせんけど、日本ハムを見ていて、すごくいいチームになってきたとは感じている。栗山(英樹)君と球団がやってきたことが花開いた、というのかな。

 カギを握っているのは、やはり大谷(翔平)君だね。今年は投打ともいいよな。“二刀流”に関して、以前、栗山君から聞かれたとき、「やりなさい、三原(脩)さん(巨人、西鉄、大洋などで指揮を執った伝説の名将。日本ハムの初代球団社長でもある。中西氏にとっては義理の父)も喜んどる」と話してやったことがある。三原さんも昔、二刀流をさせとったしね。野球選手は、だいたい高校時代までは“エースで四番”。みんなその力はある。ただ、両方できたとしても、全員にさせても仕方がないんじゃ。栗山君は、大谷君の力を見抜き、厳しいところで勉強させているんだね。話題作りみたいなもんとはまったく違うよ。それによって、本人が成長するという確信があってこそ。いまだに、いろいろな意見はあるけど、よかったと思うよ。

 前にも言ったことがあるけど、バッティングが投球にもプラスになっている。試合、練習でバッティングをしているから、あれだけ長身の選手でもバランスがよく、体にキレがある。瞬間的なグッというキレだね。あのキレがあって、下(半身)をうまく使えるから大谷君は高めに伸びるストレートを投げることができる。低めの球は、いいポイントで打てば、それなりに飛ぶ。でも、大谷君のような長身投手が高めに速球を投げると、振らされて空振りになったり、その後、低めのフォーク、スライダーが効果的になる。それと、ピッチングをしていることでバッティングにもいい影響が出ているよな。フットワーク、重心の移動がすごくよくなっているね。

 これは、長所を生かすという、三原さん以来続いている球団の伝統でもある。“人を見て法を説け”と言うじゃろ。その人の長所を見抜き、伸ばし、育てる。バッティングでも、ピッチングでも、その人なりのタイミングや合ったフォームを身につけさせるのが一番いい。栗山君は、それがうまい。いいことばかり言うわけじゃないよ・・・

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