今年の高校生ドラフト戦線は投高打低の傾向にある。つまり、打者よりも可能性を秘めた投手が豊作と言われている。なかでも“BIG4”と呼ばれる4投手の完成度は高く、高校生レベルを超越した逸材球児たちだ。台湾の大会では4人が前評判どおりの投球を披露し、アジアを席巻した。 取材・文=岡本朋祐、写真=高原由佳 取材時の言葉数は限られ、多くを語らない。性格を分析してもらっても「静か?よく言われます。試合でスイッチが入る?そうだと思う」。自己表現はマウンドで――。
高橋昂也は男気ある左腕だ。
2年夏から3季連続甲子園出場。今夏の埼玉大会では37回無失点、52奪三振と圧倒した。花咲徳栄高の1回戦(対大曲工高)は4日目。開幕前から「BIG3」と騒がれていた横浜高・
藤平尚真、履正社高・
寺島成輝がすでに初戦突破を果たしており、高橋には当然、2人に関する質問が飛んだ。
「同い年であれほどすごい選手が身近にいることを意気に感じて、刺激になります。ライバル?というわけではない。自分はチャレンジャー精神を忘れずにやっていきたい」
高橋の“個性”が出たのは、この「挑戦者」という言葉だ。昨夏の甲子園は救援で、8強進出に貢献。「ドラフト候補」として、期待されたセンバツは初戦で敗退している。さらに甲子園帰り後は背筋付近を痛め、夏一本に照準を合わせ、自宅から学校まで往復18キロを走って下半身強化に努めた。日本高野連の技術・振興委員として、その背景も調査してきた小枝守監督は「苦い思いを背負って、練習してきた。我慢強くやるタイプ」と、チャレンジャーとして再び甲子園へ戻ってきた、高橋の心の強さを評価していた・・・
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