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特集・2016高校生ドラフト

九鬼隆平&松尾大河 木製バットに対応した秀岳館の強打者

 

右が九鬼隆平、左が松尾大河。取材・文=岡本朋祐


九鬼隆平・強肩強打の高校No.1捕手


 対外試合初戦、安部球場(早大)のネット裏席には九鬼隆平の父であるパナソニック・九鬼義典氏の姿があった。池田高(徳島)、大院大、松下電器の捕手として活躍。息子のプレーに「私を超えた?十分超えています。捕手としての雰囲気が出てきた」と目を細めた。秀岳館高の“お家芸”と言えるノーステップ打法は木製で順応。「インサイドアウトでヘッドを使う」と、早大戦ではファーストスイングが左越えアーチと一発回答を出した。本大会でも攻守のカナメとして働き、中国とのスーパーラウンド初戦では左翼ポール際へ先制ソロ。守りでも「投手の良い部分を引き出す」と本塁を死守し、「元気も売りの一つなので」と最優秀守備を受賞。二塁送球は1.9秒台の強肩。父が果たせなかったプロ入りを狙う。

PROFILE
くき・りゅうへい●1998年9月5日生まれ。大阪府出身。181cm82kg。右投右打。蹉だ西小時代に枚方香里フェニックスで野球を始め、6年時にオリックスjr.でプレー。蹉だ中時代はオール枚方ボーイズに在籍し、全国大会5冠。秀岳館高では3年春と夏に甲子園4強進出の主将。

松尾大河・対応力が強みジャパンの主軸


 プレーに落ち着きがある。台湾への出発前、秀岳館高・鍛治舍巧監督からメールが入った。「結果を出すのは当たり前」。厳しい内容も「高い意識で、九鬼と一緒に秀岳館をアピールしたい」と鼻息が荒かった。ポジションは本来の遊撃手でなく、小学6年時以来の三塁。「アジア一のショートに!と思っていましたが、監督が求める役割を果たす」と気持ち切り替えた。国内2戦は一番も、大学ジャパンとの壮行試合から五番。木製バット対応には左足を上げずに重心を低く、やや短く持った。決勝進出を決めた韓国戦では小枝監督が「強い性格」に期待し一番に戻ると、3安打。打率.500で首位打者を獲得した。大会前は「台湾で通用できたら、上(プロ)でやりたい」と語ったが、十分そのレベルに達している。

PROFILE
まつお・たいが●1998年4月5日生まれ。大阪府出身。174cm73kg。三島小時代にトライアングルで野球を始め、三島中時代はオール枚方ボーイズに在籍し、全国大会5冠。秀岳館高では1年春から遊撃のレギュラーで、3年春と夏に甲子園4強進出で、両大会で本塁打を放っている。
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