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特集・パ・リーグ最終章

里崎智也が語るパ・リーグ最終章を占うポイント

 

「今の状況でどちらが勝つと言い切れる人がいたら、それはそのチームに思い入れがあるだけだと思う」――。里崎智也氏はそのような言葉で、ソフトバンク日本ハムのデッドヒートがいかに熾烈なものであるかを表現した。それでも、パ・リーグ最終章の行方を占う上で、カギとなる大きなポイントは存在する。
取材・構成=杉浦多夢、写真=BBM、取材日は9/21、22のソフトバンク・日本ハム直接対決以前


最終盤だからこそ生きる分厚い選手層と総合力


 序盤戦はずっと首位を走ってきたソフトバンクですが、中盤から終盤戦にかけて勝ったり負けたりが続くようになり、日本ハムの追い上げを許す形になりました。それでも、「分厚い戦力を生かしながら、よく踏ん張っている」というのがソフトバンクに対する正しい評価の仕方ではないでしょうか。

 オールスター明けの夏場以降、各チームはソフトバンクにエース級の投手を当てていきました。日本ハムはもちろん、ロッテ石川歩涌井秀章の両エースがソフトバンクとのカードに当たるよう先発ローテーションを組み直しています。ほかの3球団もそれに近い戦略を取っていきました。そうなると、さすがのソフトバンク打線と言えど、簡単には打つことができません。打撃陣に突出した成績を残している選手がいないのもその大きな理由でしょう。

 ソフトバンクにエース級をぶつけるということは、そのエース級の投手たちが日本ハム相手に投げる機会が少なくなるということでもあります。結果的に対ソフトバンクの“協力戦”のような形になり、日本ハムの追い風となって2強のマッチレースが演出されることになりました。

 ただ、そうした“包囲網”が敷かれたにも関わらず、ソフトバンクは分厚い戦力を生かして自分たちの戦いを必死に維持しています。先発陣では“負けない男”バンデンハークが離脱し、ここにきて攻撃陣から柳田悠岐がアクシデントにより戦列を離れたにも関わらず、投打ともになんとかカバーする選手が出てきて踏ん張っています。また、終盤にきて中継ぎが不安定になってはいますが、いかに総合力でその不安点をカバーしながら現状を維持し、最後まで自分たちの戦いを貫くことができるか。ソフトバンクにとっての最大のポイントはそこになるでしょう・・・

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