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特集・日本ハム伝説V!

日本ハム・大谷翔平 圧巻のレギュラーシーズン締め括り、二刀流を超越した存在へ

 

Shohei劇場!二刀流を超越した存在へ



 誰も目にしたことがない世界を、創造した。大谷翔平が、破壊的な進撃を続けた1年間に一区切りつけた。投手として、打者として異次元のパフォーマンスを連発した今季。プロ4年目のレギュラーシーズンの締めくくりは圧巻で、最高のクライマックスだった。優勝マジック「1」で迎えた9月28日の西武戦[西武プリンス]。一世一代のマウンドを任せてくれた指揮官の期待に応えるため、晴れ舞台を飾った。先発登板して9回をわずか1安打で、今季最多15Kの奪三振ショー。投手として最高難度のスコアでの完封勝利とされる1対0で、4年ぶり7度目のリーグ制覇へと導いた。自身も3年連続の2ケタ勝利達成と珠玉のフィナーレだった。

 4年目の進化を完ぺきに証明する総決算のマウンドだった。投手では中継ぎ登板1試合を含む21試合登板で10勝4敗、防御率1.86。昨シーズンの15勝には及ばなかったが、プロ野球記録を更新する自己最速164キロをマーク。右手中指のマメをつぶした影響で7月中旬から約1カ月半を投手として離脱したものの、エースの肩書に帳尻を合わせる成績を残した。

 その登板回避していた期間に「三番・DH」を主戦場に出場した打者では104試合出場、打率.323、22本塁打、67打点。すべてキャリアハイだった。昨季は打率.220で5本塁打と低迷したが、両輪がハイレベルでシンクロしたのが今季だった。あのベーブ・ルースでも果たせなかった「10勝&20本塁打」という離れ業を演じたのだ。

 登板時にDHを解除するなどして打線に組み込まれる「リアル二刀流」では7戦7勝と、すべての面で破格だった。驚異的にパンプアップした肉体と技術がかみ合わないなど、開幕してから4月終了時点まで未勝利と苦しんだが、終わってみれば大ムーブメントを巻き起こした。パワーとテクニックが熟成されたからこそ、両面の突出したポテンシャルがついに爆発した。プロ入団時から昨季まで、どちらかに成績の偏りがあった「二刀流」に整合性が取れ、さらにレベルも上がった。

 規定投球回、規定打席に未到達で投打とも主要なタイトルは逃した。ただパ・リーグMVPの最有力候補と目されている。プロ野球界の最高の栄誉である優勝へ導いた「二刀流」は、これまでの既成概念で単純には計れない価値がある。

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