ドラフトとは、1年間のスカウト活動の集大成である。最上位の評価となる「ドラフト1位」は12球団同時入札であり、各チームが希望どおり獲得できるとは限らない。競合覚悟、それとも単独指名を狙うか――。この腹の探り合いこそが、ドラフト当日の醍醐味。25年にわたるプロの視点から、中村和久氏(元巨人チーフスカウト)が番付順に1位候補、4位以内の上位48人をピックアップする。


※番付は左から出身地・ポジション・名前(所属)

横綱

神奈川・投手・田中正義(創価大)
大阪・投手・寺島成輝(履正社高)

大関

東京・投手・佐々木千隼(桜美林大)
栃木・投手・今井達也(作新学院高)
岐阜・内野手・吉川尚輝(中京学院大)
広島・投手・山岡泰輔(東京ガス)

関脇

宮崎・投手・柳裕也(明大)
広島・投手・堀瑞輝(広島新庄高)
千葉・投手・藤平尚真(横浜高)
北海道・投手・古谷優人(江陵高)

小結

静岡・外野手・鈴木将平(静岡高)
石川・内野手・京田陽太(日大)
東京・投手・加藤拓也(慶大)
埼玉・投手・高橋昂也(花咲徳栄高)

前頭1

兵庫・投手・田村伊知郎(立大)
佐賀・投手・濱口遥大(神奈川大)

前頭2

兵庫・投手・島孝明(東海大市原望洋高)
神奈川・投手・黒木優太(立正大)

前頭3

茨城・投手・中塚駿太(白鴎大)
栃木・投手・星知弥(明大)

前頭4

茨城・投手・生田目翼(流通経大)
富山・外野手・森山恵佑(専大)

前頭5

茨城・外野手・佐藤拓也(立大)
栃木・投手・角田皆斗(富士重工業)

前頭6

沖縄・投手・高良一輝(九産大)
愛知・投手・平井克典(Honda鈴鹿)

前頭7

栃木・内野手・石井一成(早大)
茨城・投手・小野和博(富士重工業)

前頭8

岡山・投手・高田萌生(創志学園高)
愛知・投手・丸山泰資(東海大)

前頭9

埼玉・投手・谷岡竜平(東芝)
新潟・投手・笠原祥太郎(新潟医療福祉大)

前頭10

愛知・投手・藤嶋健人(東邦高)
大阪・投手・高山優希(大阪桐蔭高)

前頭11

佐賀・投手・池田隆英(創価大)
佐賀・投手・梅野雄吾(九産大九産高)

前頭12

北海道・投手・水野滉也(東海大北海道)
大阪・投手・山口裕次郎(履正社高)

前頭13

茨城・内野手・大山悠輔(白鴎大)
愛媛・投手・澤田圭佑(立大)

前頭14

福岡・外野手・田中和基(立大)
福岡・捕手・古賀優大(明徳義塾高)

前頭15

兵庫・捕手・宗接唯人(亜大)
群馬・捕手・長坂拳弥(東北福祉大)

前頭16

大阪・捕手・九鬼隆平(秀岳館高)
大阪・投手・酒居知史(大阪ガス)

前頭17

兵庫・投手・才木浩人(須磨翔風高)
群馬・投手・高橋拓巳(桐蔭横浜大)

寺島と田中の両横綱に最大計8球団が1位入札

　1位入札は「12球団同時」だが、目先の“利益”を追い求めると、痛い目に遭う。スカウト会議では2位以降を見据え、熟考を重ねる必要がある。つまり、2位はウエーバー順(2016年は交流戦成績により、パ・リーグが優先権を得て、パ6位、セ6位、パ5位、セ5位……パ1位、セ1位)であり、セパの下位4チームほどが有利に働いてくる。一方、1位入札抽選で外した際のリスクが高まる上位チームは「無難な戦略」を迫られるかもしれない。すなわち、重複は避けて、単独入札に狙いを定める。だが、その戦略が裏目に出て、再び競合になることもあり、難しい選択だ。

　さて、1位入札で重複するのが確実なのは・・・