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2016日本人メジャー総括

ヤンキース・田中将大 試行錯誤が功を奏し

 


 メジャー3年目で自己最多の31試合に登板し、投球回も199回2/3と開幕前から目標にしてきた200イニングをほぼ達成。ポストシーズン進出の可能性が消えた9月終盤は登板を取りやめたものの、開幕からほぼシーズンを通して先発ローテを守りチームの絶対的エースへ成長した。

 その陰には、開幕からあらゆる試行錯誤を続けさらなる上を目指した、たゆまぬ努力があった。シーズン序盤のころ「僕の真っすぐは通用しない」と自らを厳しく分析し、フォーシームをまったく使わない時期があった。しかしその直球も、シーズン後半には質が向上していることがPITCHf/xの球質分析で、空振り率の向上などにも現れており、ツーシームに関しては「異次元の動きをしている」と7月にネットで話題になったほどのキレを持つようになった。投球時のプレートの立ち位置も、三塁寄りだったのを一塁寄りに変えるなど、何度か修正し、登板間の調整法もシーズンが進む中で何がベストかを試行錯誤し続けた。200イニングを目指す中で「未知の領域なので、自分でもどうなるか分からない」と心境を明かしていたが、3年目にして先発ローテを守り200イニング近くを投げた今季の経験は、来季への大きな財産になっただろう。


■2016年投手成績
試合数 31
勝利 14
敗戦 4
セーブ 0
投球回 199 2/3
奪三振 165
自責点 68
防御率 3.07

文=水次祥子
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