衝撃の電撃トレードで巨人から日本ハムに加わった大田泰示。過去の自分と決別し、新天地で誓うのは逆襲あるのみ。すべてを懸けて再出発した反逆のスラッガーが北の大地を熱くする! 取材・構成=松井進作、写真=矢野寿明(特写インタビュー)、BBM 悔しさだけが残る苦闘の8年間
2009年に巨人のドラフト1位でプロの世界に飛び込んだ大田泰示。松井秀喜の後継者として背番号も1年目から「55」を与えられ、スーパースターへの道を歩むことはもはやこの男の宿命でもあった。だが、周囲の期待とは裏腹にレギュラーを奪うことはできず、入団8年目のオフに志半ばで日本ハムへの交換トレードが決定。かつてまばゆいばかりのスポットライトを浴びたスラッガーはいま何を思うのか──。 ──単刀直入にお聞きします。今回の日本ハムへのトレードを通達されたときは、率直にどんな思いが胸の中に去来しましたか。
大田 まず一番に思ったのは、巨人で結果を出せなかったという悔しさですかね……。ドラフト1位で入団したにもかかわらず8年間ほとんどチームの力になれなかったわけですから。寂しさというよりは、自分への歯がゆさ、悔しさだけでしたね。
──巨人での8年間は苦しかったと。
大田 苦しかったですし……とにかく時が経つのが早かったなと。すごく期待してもらって入団し、しかも1年目から松井(秀喜)さんの背番号「55」をもらって。否が応でも結果を出さないといけないというか、自分で自分をどんどん追い込んで窮屈にしてしまっていましたよね。「僕はこういう選手にならないといけないんだ」みたいに勝手な高い理想を作って、そこでがんじがらめになっていた。もちろん注目してもらえることは幸せなことなんですけど、一方でそれがプレッシャーになっていたのも間違いないです。
──巨人のドラフト1位の“看板”というのはそれだけ重かった。
大田 重かったというか・・・
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