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特集・WBC最速展望

緒方耕一&武田一浩 世界一を知るコーチ対談 侍ジャパンよ、こう戦え!

 

前回大会で初めて逃した世界一奪還へ、3度目の頂点を義務付けられている侍ジャパン。世界の強豪たちを打ち倒すために必要なものは何か。コーチとして大会参加経験のある両者に過去の体験を踏まえながら語り合ってもらった。
取材・構成=吉見淳司、写真=小山真司、BBM

左:武田一浩氏、右:緒方耕一


国際大会ならではの苦労と対策


日本の連覇で華々しく幕を開けたWBC史。栄光の裏側には世界と戦ううえでのさまざまな困難が待ち受けていた。まずは実際に経験した苦労話を聞かせてもらった。

武田 俺の場合は第1回だから、手探りどころじゃなかった。球数制限も初めてだしね。もう一人の投手コーチだった鹿取義隆(元巨人ほか)さんと、先発の投手をリリーフに使うのだけはやめようと言っていた。大谷(大谷翔平日本ハム)やダルビッシュ(ダルビッシュ有、レンジャーズ)くらいのレベルなら対応できるかもしれないけど、ほかの投手だといきなりリリーフをやるのは難しい。だから先発を2人セットにして、投げさせる日をあらかじめ決めて、伝えていた。そうすれば二番手でも調整できるからね。でも、やっぱり先発投手にはリリーフの役割はできない。

緒方 第2回、第3回もそれはすごく迷っていました。球数制限があるから、イニング途中の交代だと本職のリリーフじゃないと大変。きれいに5回の頭からとか6回の頭からとか投げられればいいんだけど、そうはいかないから、専門職が必要だと言っていましたね。

武田 前年に調子の良かった投手を選抜しても、いざ試合となると「球が滑る」と言い出して使えないということもある。そこが一番困った。06年は杉内(杉内俊哉、巨人)が苦労していたね。

緒方 09年は大活躍でしたよ。

武田 そうそう。それは慣れだと思うんだけど。最初はブルペンでキャッチャーがいないところに投げていたもん(苦笑)。でも、当時レンジャーズだった大塚(大塚晶文中日コーチ)がいたから、ほかの投手はアドバイスをもらっていた。しっかり握ってストレートを投げる投手は滑らないみたいなんだけど、そういう投手は意外と実戦では打たれてしまうんだよね。

06年WBCで、ブルペンから投球練習を見守る武田氏[左から3人目]。WBC球攻略には大塚[武田氏の右隣]のアドバイスが大きかったという


緒方 もちろんメンバーを選考するうえでボールが合わない投手は選ばれないんですけど・・・

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