昨年は広島が25年ぶりの優勝を成し遂げたセ・リーグ。今年は巨人がFAなどで戦力を補強し、ラミレス監督率いるDeNAも順調な調整で開幕を見据える。若トラの成長著しい阪神、2015年覇者のヤクルト、さらに19年ぶりの最下位に終わった中日も森繁和新監督の下、巻き返しを図るだろう。“乱セ”の予感が漂うセ、そのペナントを懸けた争いは見逃せない

その他の球団もチェック
●セ・リーグ編　広島・巨人・DeNA・阪神・ヤクルト・中日
●パ・リーグ編　日本ハム・ソフトバンク・ロッテ・西武・楽天・オリックス

写真=BBM

開幕時の戦力充実度

投手力　8.5点
守備力　9点
攻撃力　8.5点
機動力　9点
選手層　7.5点

合計　42.5点(セ・リーグ2位)
※各10点満点で評価(合計50点満点)

優勝への3箇条

(1) ジョンソン、野村が1年間ローテ死守
(2) 福井、大瀬良、岡田で黒田不在をカバー
(3) タナキクマルが今季もフル稼働

投手&守備力

　黒田博樹が引退した先発では、2年目の岡田明丈が力を増している。昨季4勝からの上積みが期待でき、福井優也、大瀬良大地が万全なら数字上では穴を埋めることができるだろう。新人の加藤拓也、床田寛樹はオープン戦で好調。中継ぎ起用も可能な九里亜蓮、ヘーゲンズらもおり、コマ数は多い。しかし昨季に合わせて31勝を挙げたジョンソンと野村祐輔に頼る部分は大きく、両者がローテを外れるようであれば厳しい状況となる。

　リリーフは右内転筋挫傷の一岡竜司がいつ復帰できるかが陣容を大きく左右する。今村猛、ジャクソン、中崎翔太の勝利の方程式は確立されており、5、6回を任せられるリリーバーを確立したい。

　二塁の菊池涼介に代表される守備は昨季と変わらず大きな穴はなく、ユーティリティーのペーニャが加わったことでより盤石となった。注目は捕手。ベテランの石原慶幸への信頼は厚いが打撃に優れる會澤翼、船越涼太が虎視眈々と定位置を狙っている。守備面の成長次第では世代交代の可能性も。

攻撃力&機動力

　田中広輔、菊池、丸佳浩で形成する上位打線の破壊力とスピードは12球団屈指。16年MVPの新井貴浩、大ブレークを果たした鈴木誠也が昨季並みの活躍を見せられれば、相手投手には脅威の打線となる。助っ人ではエルドレッドの打棒が湿っているが、新加入のペーニャが好調で、三塁争いをリード。左翼では松山竜平、下水流昂、堂林翔太がしのぎを削っており、下位打線も迫力十分。安部友裕や小窪哲也、西川龍馬もスタメンに加わる力はあり、代打のオプションも豊富だ。

　懸念があるとすれば・・・