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注目捕手インタビュー

広島・石原慶幸インタビュー 固定観念を持たず、臨機応変に 「投手がよく投げてくれたからこそ抑えられる」

 

昨季に25年ぶりの優勝を果たした広島で、若手が多くを占める投手陣を手練れのリードでけん引した石原慶幸。ベストナイン、ゴールデン・グラブのダブル獲得を果たした扇の要の、マスクの裏側に広がる世界に迫る。
取材・構成=吉見淳司、写真=湯浅芳昭、BBM


捕手の仕事は投手の手助け


──プロ15年目の昨季にベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を受賞しましたが、初受賞というのが意外でした。

石原 いやいや、意外じゃないですよ。僕以上にうまい人がいたということです。

──現在、広島では九里亜蓮投手や岡田明丈投手、加藤拓也投手、故障はありましたが床田寛樹投手など若い先発投手が健闘しています。石原選手は岡田投手、加藤投手と組むことが多いですが、緒方孝市監督はよく試合後に、「石原がよく引っ張ってくれた」と口にしています。

石原 若いから逆に怖さを知らないところもありますし、自分のボールを信じて投げてくれたことがいい結果につながっているという感じですね。

──これも緒方監督ですが、「三振を欲しいときに三振を取る配球をしていた」とコメントしていたこともありました。

石原 欲しくても相手がいることですからね。うまく打たれてしまうこともあります。どのボールで空振りを取れるのかは考えますけど、それだけがすべてではないですし、どうしても球数が増えてしまうときもある。そのへんは臨機応変に、ですね。

──リードをする際の基本的な考え方なのですが、投手の最も自信のあるボールを中心にする。あるいは打者が一番苦手なボールを中心に、などのパターンがあると思いますが、石原選手はどのタイプでしょうか。

石原 あまりこだわってはいません。それも臨機応変。その投手の一番いいボールでも、日によってはストライクが入らないときもある。どちらかというと固定観念を持たないようにしています。だから、この投手はこのボール、とは考えず、ほかのボールを使っていかないといけないときもありますし、悪くてもあえて使っておいたほうがいいときもある。偏らないようにはしていますね。

──あえて悪いボールを要求する場合もある。

石原 立ち上がりがスムーズにいって波に乗ってくれたら、ラクなケースで試してみることはあります。やっぱり立ち上がりというのは、投手も不安だと思いますし、受けるほうも、マウンドに立った投手がどんなボールを投げるのか分からないところもありますからね。

──試合の流れで重視しているのは、早いイニングで投手をいかに乗せるか。

石原 もちろん点を取られることはうれしくないですけど、その1点を防ごうとすることが大量失点につながることもあります。全体を見ながらですが、そこは大事にしているつもりです。

──石原選手は勝ち試合のコメントでも「投手がよく投げてくれた」と口にし、いつも投手を立てている印象です。

石原 僕の中では、本当に投手がよく投げてくれたからこそ抑えられるという感覚なんですよ。いいボールをいいところに投げてくれた結果、バッターを抑えられる、試合に勝つことにつながると僕は思っています。その手助けをするのが捕手。もちろんそれだけじゃなく、ちょっと強めに言ってあげたりするときとか、「大丈夫だから来い」と伝えることもあります。でも、僕がいくらミットを構えていても、投手が投げてくれなかったら意味がない。その点で、投手が頑張ってくれたということですね。

──いかに投手に気持ち良く投げさせるかは、捕手の仕事のひとつだと思います。

石原 今の広島は若い子が多いので、なかなか気持ち良くというわけにはいきません。多分、試合が終わってからようやく「今日は良かったな」という感じで考えているはず。だからこちらも、試合中に気持ち良く投げさせようとは思っていないですね。むしろ、ちゃんと考えて投げられるようになってほしい。自分より投手のほうが・・・

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