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勝利に欠かせぬ司令塔 捕手大解剖

第2捕手の矜持 チームに必要不可欠な“縁の下の力持ち”

 

決して日の当たる存在ではないかもしれない。しかし、彼らは有形無形の力をチームに与えている。正捕手の陰で奮闘する第2捕手。1年間、戦い抜くために欠くことのできない存在をクローズアップする。
写真=BBM ※成績は4月22日現在

投手に的確なアドバイスを送るなど、チームからの信頼は厚い ※細川亨捕手は左ふくらはぎ痛のため4月30日に出場選手登録抹消となりました


楽天・細川亨 多くのヒントをもたらす経験豊富なベテラン


 出場試合数は少なくても、存在感は決して小さくない。今季から楽天に加入した細川亨は、首位を快走するチームに欠かせない戦力となっている。梨田昌孝監督は「キャッチャーにもピッチャーにも、アドバイスをしてくれている。いい情報を、いろいろいただいている」と評価する。昨季は一軍捕手2人制だったが、今季、嶋基宏足立祐一の態勢が整っても、細川を一軍に置き続けている。

 対戦がひと回りした4月16日の日本ハム戦[Koboパーク宮城]まで、出場したのはわずか2試合。スタメンは一度もないが、首脳陣の評価は高い。古久保健二バッテリーコーチは「彼には独特の感覚がある。経験に基づいたものだし、僕らも聞いていて新鮮。嶋にもアドバイスしている。心強いし、頼りになる」。昨季まで所属したソフトバンクの情報はもちろん、多くのヒントをもたらしている。

 若手投手の手助けも惜しまない。ルーキーの菅原秀は「修正したいときに、『どうしたらいいですか?』と聞くことが多い。そうすると『こうしてみたら?それでダメならこうしたら』とか2つ、3つアドバイスしてくれる。試合中のブルペンでは、例えば体が開いているとか、構えで修正してくれます」。経験豊富なベテランに、絶大な信頼を寄せている。

 出場機会が少ない現状は、「正捕手として100試合出場」を目標に掲げていた細川にとって、決して満足できる状況ではないだろう。それでも、「地元東北で、もう1度日本一」という、もう一つの目標のために全力を尽くす。チームが上位を争う状況が続けば、経験が生きる局面はさらに増えていくはずだ。


巨人・實松一成 2番手としてのこだわりを持つ、チームにとって頼れる存在


出番は少なくてもいつもベストの状態に仕上げるのが身上だ


 目立たずも、存在の大きさは計り知れない。プロ18年目を迎えた實松一成は、チームにとって不可欠な、まさに縁の下の力持ちだ。

“松坂世代”最強の捕手として、佐賀学園高から1999年、ドラフト1位で日本ハム入り。2006年に岡島秀樹とのトレードで巨人に移籍した。日本ハム時代を含め、02年の82試合出場が最多。巨人移籍後も、長く扇の要を務めた阿部慎之助がいたため、正捕手の座とは無縁だった。

 一昨年からは、将来を嘱望される小林誠司のバックアップがメーン。だが、ひとたび出番が回ってくれば、堂々としたプレーでグラウンド上の指揮官となる。「先発で出る捕手と違うところは、思い切ったことができること。1番手と同じリードをしていると・・・

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