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2017広島カープ特集

チームを支える背骨役 カープの象徴タナキクマル!

 

打線では一、二、三番を、守備ではショート、セカンド、センターを担い、精神的支柱としても欠かせない同級生トリオ。パズルのピースのようにがっちりとかみ合う三者三様の役割に迫る。
写真=BBM

攻守走、あらゆる場面でチームの中心に座る田中、菊池、丸[右から]


指揮官が誇る“チームの看板”


 攻守走すべてで広島を引っ張るタナキクマル。2016年シーズンで築いた1989年度生まれトリオの関係は、17年になって深みを増した。3人が3人の役割と意図を互いに理解。ベンチの戦術にも臨機応変に対応し、スタートダッシュに導いた。その様子は以心伝心そのもので、絶対的な存在感はチームに安心感を与えている。緒方孝市監督をして「ウチの看板」と言わしめる、大きさも形も異なる3つの背中。開幕前から、その存在の大きさは明らかだった。

 開幕前、3人はそれぞれの場所で奮闘していた。菊池涼介田中広輔は侍ジャパンに選出され、世界を相手に戦った。チームのキャンプから広島では守ることのない三塁のポジションにも入って2人でノックを受けていた。大舞台に備えてオフからピッチを上げてハイペースで仕上げてきた。菊池は攻守で侍ジャパンに貢献。田中もスピードとあふれるセンスで存在感を存分に発揮した。一方、丸佳浩は広島でチームを“守って”いた。キャンプで痛めた右ワキ腹を回復させ、オープン戦では2試合で四番にも入った。だが若い選手を懸命に引っ張るも、チームのオープン戦の結果は4勝11敗2分けの11位。緒方監督は鈴木誠也を含む侍ジャパン3選手の代役を期待したが「なかなか難しい」と正直に吐露していた。

 タナキクマルの3人がそろったのは開幕を5日後に控えた3月26日。WBCから戻ってのオープン戦出場は1試合。連係を確認できず、ブランクは約1カ月にも及んだ。それでも丸は当時の心境を「不安は特になかったですね」と振り返る。菊池も田中も、重要なのは心身の回復だけと考えていた。田中は「戻ってきて『弱い』と言われたくはないですし、早くみんなとやりたい」と言った。培ってきた阿吽の呼吸は簡単には薄れない。案の定、開幕するとその連係は見事なまでにはまった。当然疲れも残っており、3人が3人とも絶好調ではなかったが、結束は強かった。チーム全体も、3人の雰囲気に乗せられていった。

 象徴的だったのは4月2日の阪神戦。マツダ広島で抜群の相性を誇る能見篤史を相手に・・・

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