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2017広島カープ特集

受け継がれる黒田イズム 背番号15が残したもの

 

昨季に日米通算200勝を達成し、リーグ優勝に貢献。選手に、ファンに惜しまれつつユニフォームを脱いだ黒田博樹氏。永久欠番となったそのナンバーはグラウンドにはないが、各選手の胸の中には色あせずに刻まれている。
写真=湯浅芳昭


影響を受けた若手投手が飛躍


 前年の優勝がフロックではなかったことを証明するように、広島は4月に10連勝するなど見事な開幕ダッシュを果たした。強力打線とともに、好スタートを支えたのは若手先発陣。新人2投手がそろって初勝利する新戦力の活躍以上に、岡田明丈九里亜蓮といった2年目以降の若手投手の成長が大きい。開幕投手を務め、外国人史上2人目の沢村賞受賞のジョンソンが離脱する中、大黒柱に成長した野村祐輔と先発復帰の大瀬良大地を中心とした20代で構成された先発ローテーションが奮闘。シーズン開幕を前に心配された“黒田の穴”を感じさせない序盤戦を誰よりも喜んでいるのは、ユニフォームを脱いだ黒田博樹氏かもしれない。

 広島若手投手陣には黒田イズムが流れる。中継ぎの負担を減らそうとする先発としての心意気は広島先発陣に浸透している。最も影響を受けたのは「ポスト黒田」と期待され、エース道を歩む野村だろう。「球数を少なく、両サイドを突きながらテンポ良く投げる。理想像のような投手」と黒田氏と同じ投球スタイルを追求する。ともにプレーした2年間で、投球前の調整法やマウンドでの考え方を参考にし、プレートの立ち位置も黒田氏と同じ一塁側に変えた。「角度がついたことで、右打者の内角への窮屈さがなくなった」と、黒田氏の持ち球であるツーシームと似た、決め球のシュートが生きるようになった。

 大瀬良もツーシームの握りを教わり、右足でのプレートの踏み方も助言された。一昨季の中継ぎ転向後も、昨春に負傷離脱したときも、師弟関係は続いた。昨季終了後も「何かあれば連絡してこい」と大先輩から今でも気にかけてもらっている。九里も一昨年のオフに投球時の左手の使い方をアドバイスされ、岡田は投球についての考え方など助言を受けてきた。

 黒田氏は在籍時に「選手はグラウンドに出る前に各自で体を動かしている。それからまた一緒に体を動かさなくていいのでは。それでは選手に自覚が芽生えない」と投手陣全体で行っていたウオーミングアップを各自で行うメジャー流を進言。若手投手陣の自立を促すため、導入された。九里や岡田のオフの取り組み方が変わった。明確な目標を設定して取り組み、クリアした結果、先発としての結果につながっている。黒田氏が蒔いた種が花を咲かせ、先発として一皮むけた。

 技術的な変化もある。今季は投手陣全体が内角を積極的に・・・

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