昨季に最多勝、勝率第一位の2冠を獲得。リーグ優勝に貢献した広島の右のエース・野村祐輔が、凡打の山を築いた自らの武器を明かす。 取材・構成=吉見淳司、写真=太田裕史、BBM ツーシームを投げ始めたのは2014年のシーズンからです。投げようと思ったのは右打者への対策のため。それまでは右に曲がるボールがなく外角中心の配球になりがちになってしまい、そればかりだと踏み込まれてしまうので、右打者の内角に投げられる球を、と思い使い始めました。
独学だったのですが、当時は全然しっくりきていなかったですね。今とは握りも違いました。投げ始めていたころは変化が大きかったり、打者の手元でのボールの勢いが弱かった。それだと詰まらせることはできなかったですね。握りを変え、使えるようになったのは15年からです。そして昨年から投球時のプレートを一塁寄りにしたことで、さらに効果的になりました。今のところは、右打者なら内角に食い込むように、左打者なら外角に逃げるように使っています。
ただ、僕の中では変化球ではなく、ストレートという感覚なんですよね。変化はしてくれればいいかなという程度。それよりも、強いボールを投げようと意識しています。打者にもストレートと同じように見せたいですからね。自分でもどういう変化をしているかは分からない。時にはどういうふうに曲がっているかが分かるときもあるんですけど、その場合は変化が大き過ぎて、見逃されてしまったり打たれてしまったりする。自分で分からないほうが調子がいいんです。イメージとしては、打者が打った後に「あ、ツーシームだったんだ」と気付く球種。ストレートだと思って振ってきてほしい。僕の変化球はカーブを除けば、全部ストレートに見えてほしいんです。
握るときは、人さし指を縫い目に掛けて、中指は人さし指にくっ付けつつ縫い目から外します。リリースの際には・・・
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