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チームの顔となれ!若虎インタビュー

阪神・中谷将大インタビュー ただ、勝ちたい! 「究極は自分の数字を一つでも上げチームの勝利にも貢献したい」

 

レフトスタンドへ飛んでいくボールの軌道は、まさしく大砲の打球だ。長らく阪神に出てこなかった右の大砲。その候補の中谷将大が、今花開こうとしている。まだまだつぼみの段階ながら、昨年を上回るペースで本塁打と打点を積み重ねている。カベにもぶち当たりながら、成長を続ける背景には「勝ちたい!」「優勝したい!」という強い気持ちが、後押ししていた。
取材・構成=椎屋博幸、写真=早浪章弘(インタビュー)、BBM ※成績・記録は6月3日時点


相手に研究され自分を見失うことも


開幕一軍入りを果たし、原口文仁と一塁手として併用され、ときに福留孝介の休養日に右翼へ、さらに先発が左腕のときには右打者を並べるため、高山俊の代わりに左翼へと守備位置を変えながら、打撃では結果を残してきた。ときに四番を任されるなど、首脳陣の期待も大きい。だが、まだまだ経験不足で、打撃で結果を残せない試合も多い。これまで体験したことのない一軍のカベにぶち当たっているのは間違いない。中谷自身が一番感じており、克服するために試行錯誤を繰り返している。

 5月の中ごろ、中日戦あたりからです。相手チームの僕に対する配球が変わってきたのが分かりました。そこから、自分の打撃を見失うことが多くなりました。つまり、相手投手の配球を気にし過ぎて、打撃が分からなくなり、打撃フォームまでおかしくなっていく感覚になりました。先日、6月2日の日本ハム戦[甲子園]では特に、自分の中で訳が分からなくなっている状況で打席に入っていましたね。相手投手がどうのこうのということでもなく、自分自身で何をしているのか分からないという感じ。そのため、考えてもいないボールを振ってしまったりしていました。

 それが2打席続いたんです(2三振)。その攻撃が終わった後(5回表)、守備に就くときに、この日休みだった福留(福留孝介)さんから「バッティングはバッティング、守備は守備やぞ。切り替えていけ」と言われて。しっかり切り替えて次の打撃は結果(左翼オーバーの二塁打)が出ました。今考えるとそれは感覚のズレなんですが、この打席だけで修正できたとは思っていません。福留さんのアドバイスでうまく気持ちを切り替えたことで、打てたという感じです。これからもそのやり方なども取り入れていきながら、試行錯誤が続くと思います。

 開幕当初は、自分がやるべき準備をしっかりとやりながら、打席に入り、絞り球を決め、自分のスイングで打つことができていました。このときは、打席の中で自分のバッティングフォームのことを細かく考えることはなく、相手投手の配球を読んで、決めて打つだけでした。しかも、それでいい結果が出始めていました。つまり「打つ」というだけのシンプルな形ができていたんです。

 しかし、配球が変わったことで、自分と勝負してしまっていました。バッティングフォームをいじってみたり、しかも打席の中で、急に気になってしまったり……。練習中から「これを試してみよう」ということなども、思い返してみるとブレていたとも思います。

 その状況で、いろいろな方にアドバイスをもらいました。それを自分の中で消化しながら、自分のものにしていこうと取り入れています。打てないときには、自分自身・・・

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