交流戦に入っても好調を維持している阪神。ここでは猛虎OBにここまで好調な要因を採点してもらい、首位争いから抜け出すためには何が必要かを分析してもらった。まずは投手編から。元エースの藪恵壹氏に聞いた。 取材・構成=椎屋博幸、写真=BBM ※成績・記録は6月3日時点 テーマ1 投手陣好調の要因は?
打線との信頼関係&梅野との信頼関係が成立
全体採点 75点 現在までの阪神の戦い方の中で、2つほど投手陣に良い影響を与えていることがあります。まず1つ目は打線です。野球は点を取らないと勝てないスポーツですが、今年は大逆転の試合もあります。それにより投手陣が「1点でも少なく抑えれば取り返してくれる」という打線との信頼関係が出来上がっているように見えます。これは心理的に大きい。もし、5月6日の
広島戦[甲子園]のような9点差とはいかなくても、同じように逆転する試合や粘ってのサヨナラ勝ちをやったら、その信頼関係は強固なものになります。
それと2つ目。捕手・
梅野隆太郎の存在です。昨年までは正捕手がなかなか決まらなかった事情がありました。今年は開幕から梅野が先発マスクをかぶることが多いため、先発投手陣もバッテリーを組む回数が多くなり、お互いの信頼関係度が上がってきています。それは投手陣にとってもいい流れになっていると思います。
テーマ2 先発投手陣
表ローテは好調維持。藤浪、岩貞の不調が誤算
採点 60点 メッセンジャーと
秋山拓巳、そして
能見篤史が安定した投球が、首位争いをけん引している一番の要因です。能見に関して、勝ち星は伸びていませんが、首脳陣がある程度イニングで区切り「試合を作る」ほうに重きを置いている印象です。能見が先発のときは中継ぎ投手陣も、その試合は必ず投げるという意識もできており、いい循環になっています。
しかし、誤算は何と言っても
藤浪晋太郎と
岩貞祐太が登録抹消になり再調整を余儀なくされたことです。藤浪は開幕から調子が上がらなかった。ファームでもう一度「心と体」のバランスを一から見直して、本来の姿に戻ってほしいですね。チームのことを考えると早めに・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン