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時代を担う遊撃手インタビュー

巨人・坂本勇人インタビュー どこまでも貪欲に── 「エラーは少なければ少ないに越したことはない。かといって思い切った勝負を避けたのなら、その数字には意味がない」

 

堅実でありながら、ときにダイナミックで流麗。身体能力に優れ、見るものを魅了する遊撃手こそ、ダイヤモンドの華である。今号ではそんな遊撃手たちをクローズアップ。まずは昨年、プロ10年目にして初のゴールデン・グラブ賞を獲得し、侍ジャパンでも不動の遊撃手として君臨する巨人坂本勇人のインタビューをお届けしよう。
取材・構成=坂本匠、写真=小山真司、高原由佳 ※成績・記録は6月10日時点


失敗をするたびに反省。50個前のミスを生かす


長く苦しい連敗(球団史上ワーストの13)を自らのバットで止めた。5月25日の阪神戦[甲子園]で敗れてから、6月8日の西武戦[メットライフ]までチームは球団史上ワーストとなる13連敗。翌9日の日本ハム戦[札幌ドーム]で坂本勇人が勝ち越しタイムリーを放ち、連敗にストップをかけたが、守備の要であるショートの位置から、苦しむチームをどのような思いで見つめていたのだろうか。

──連敗の間、「1つ勝つことが難しいことをあらためて感じた」という言葉に実感がこもっていました。

坂本 選手全員が感じたことだと思います。ただ、チームの結果としては大きなマイナスですが、この経験は間違いなく僕の野球人生でプラスになります。

──キャプテンという立場ももちろんですがショートの位置から、内野の要として何を考えて連敗を見ていましたか。

坂本 キャッチャーのサインや配球も全部見れますし、ピッチャーのリズムも把握できるポジションです。配球について、僕が言うことはないですけど、リズムだったり、「違うんじゃないか?」と思ったことはバッテリーに伝えて、良い方向に持って行けたらと考えていました。もう終わったことですし、この先、しっかりと勝っていくことが大事ですね。

──昨年、プロ10年目、28歳のシーズンに初めてゴールデン・グラブ賞を獲得しました。あらためて受賞への想いを。

坂本 ショートをやっている以上は、守備がうまくなりたいとずっと思っていました。バッティングと一緒くらい……まあ、どうしてもバッティングのほうが比重は重くなってしまうんですが、それと同じくらいの気持ちで練習、試合と守備を意識してきました。それが10年目で賞という形でいただけたのは、素直にうれしかったですね。

──参考までに、現在巨人の内野守備走塁担当である井端弘和コーチは、6年連続含む7度のゴールデン・グラブ賞受賞歴がありますが、初受賞は2004年で29歳でした(プロ入り7年目)。

坂本 意外ですね。でも、ゴールデン・グラブは自分がしっかりやれていても、ほかにうまい選手がいれば選ばれません。ショートにはほかの球団にもいっぱいうまい選手がいますから、巡り合せやタイミングもありますね。

──ちなみに、キャッチャーなどは経験が大事なポジションと言われますが、ショートも経験を重ねて成熟していくポジションだと思いますか。

坂本 いろいろな状況で、こういうときはこうしたほうがよかったなと思うことが出てきます。無理やりノーバウンドで投げなくてもよかったなとか、今のは突っ込まなくてよかったなとか。失敗をするたびに反省は出てくるので、それを次に生かすことがとても大事。守備ってそれの繰り返しだと思っています。

──ミス、失敗というのは一個一個、頭に残るものですか。

坂本 もちろんです。年間15個エラーをしたとして、40〜50球(の守備機会)に1個。後に同じような打球が来て、50個前のゴロのことが瞬時に頭の中に浮かんで、反省を生かして良い形で処理できることが大事なんじゃないでしょうか。頭だけではなく体も自然に反応する。そういう切り替えが最近できるようになってきたと思いますし、エラーを減らしていく、良いプレーをしていくために必要な要素なんだと思います。試合後に映像とかを見返すことはほぼないですけど、井端さんと話をします。「グラブを出すタイミング遅かったですか?」とか。エラーしたときに限った話ではないんですが、何かあれば常に確認をしますね。

──経験を重ねたことでプレーの質やミスの種類に変化を感じますか。

坂本 それはありますね。スローイングミスもそうですが、これまで速い打球を弾くことがすごく多かったんです。井端さんがコーチになられて、「グラブを先に出してしまおう」というアドバイスをいただいて、さらに力を抜くことを意識したことで、試合でも練習に近い感覚でグラブを使えるようになってきました。試合になると、どうしても速い打球に対して体が硬くなってしまうもの。まだ完ぺきではないんですけど、手応えはあるし、成長してきているかなと思います。

──ゴールデン・グラブ賞を受賞した際、喜びとともに「納得いく守備成績ではなかった」と厳しいコメントをしています。確かに一昨年の11失策から5つ増えて16失策で終えたシーズンでした。

坂本 実は去年よりも一昨年のほうが・・・

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