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トラの助っ人コラム メッセンジャーの「Messe's Road」

メッセンジャーコラム「マウンドの硬さの違いには苦労したね。中継ぎから先発に転向し生きる道を模索したよ」

 

阪神1年目[2010年]の宜野座キャンプでの僕だね。このときは活躍したいと思いながら、マウンドの軟らかさに苦労していたことを思い出すよ


ジョーにレクチャーを受けるも4月下旬にまさかの二軍降格


 交流戦も終わったね。今年の阪神は勝ち越して終わった。僕の交流戦最後の登板は6月15日の西武戦[甲子園]。強力打線を相手に自分の投球ができなかったのが残念。ただ、チームはサヨナラ勝ちしたから良かったよ。僕自身の交流戦は1勝1敗。3連勝を狙ったけど……その中でもロッテ戦(6月1日)の1敗は悔しかったね。

 スポーツ新聞等にもコメントしたんだけど、ZOZOマリンのマウンドが軟らか過ぎて、コントロールをつけるのが難しかったんだ。特に踏み出す部分が異常に軟らかくてね。これまでもあのマウンドで投げたことがあったけど、そこまで掘れないイメージだったからビックリだったよ。今までにないくらい軟らかくて、どんどん掘れるから、体をステーバックして(後方に残して)、リリースポイントをマウンド寄りにして、コントロールをつける作業が必要だった。それをつかむまでに時間がかかり4失点。悔やまれるよ。

 メジャーのマウンドは、どの球場に行っても同じ角度と土の硬さだから、何も気にしなくて投げられるという良さがある。僕が来日して最も苦労したのは、この部分。日本は、球場によって角度と硬さがまったく違うんだ。まずはそこに慣れることから始まった阪神での1年目だったよ(2010年)。

 春季キャンプ中にジョー(城島健司)から、日本の打者についてレクチャーを受けたんだ。どんなって?「日本の打者はファウルで粘ってくる」ということだった。これに関してはキャンプやオープン戦のときから感じたね。でも、だから空振りを誘うような真っすぐを投げようなどは考えなかった。あと、ビックリしたことは、キャッチャーがよくミットを動かす、ということだね(笑)。

 メジャーだと捕った位置を動かさずに、球審に見せるようにするんだけど、日本は、球審の目をあざむいて、あわよくばストライクのコールを取ろうと思っているよね。最初はその動きが面白くて仕方なかったんだ(笑)。1球投げるたびにそうなんだもん。そしてあまりにも動くから「そこまでしなくていいよ!」と思ったのも事実だよ。

 でもやはり、マウンドの硬さの違いに・・・

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