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俊足コンビスペシャル対談
西武・源田壮亮×金子侑司 獅子が誇る魅惑の俊足コンビ スペシャル対談

 

俊足好打の2人で一気にチャンスメーク──。一、二番の力で一気に攻め立てるのは理想の一つだろう。交流戦中、それを示したのが西武金子侑司源田壮亮だ。現在はコンビを“解消”しているが、この2人が“ツートップ”を組む日は再び訪れるに違いない。
取材・構成=小林光男、写真=榎本郁也、BBM ※取材日=6月20日

源田のメンタルは“豆腐”……!?


昨年53盗塁をマークし、タイトルを獲得した金子侑司は今季、さらなる飛躍を期待されたが開幕直前に右スネの疲労骨折で離脱。しばらく二軍暮らしを余儀なくされたが、その間、一軍で輝いたのが新人の源田壮亮だった。遊撃のポジションを奪い取り、開幕5試合目から二番に定着。攻守走でチームに欠かせない存在へとなっていった。

金子侑 僕の大学(立命館)時代の後輩が、源田が所属していた社会人(トヨタ自動車)チームにいて。事前に「今度、ウチの後輩が西武に入団するので」ということを聞いていたんだよね。そのつながりから割とスッと話し始めた。

源田 気さくに話しかけてくれて、すごくうれしかったです。ネコ(金子侑)さんの印象は……カッコいい(笑)。話の内容はいろいろありましたけど、本当にチームにもすんなりと入り込めました。

金子侑 シーズン前は野球の話は少なかったかな。僕が開幕前にケガをして二軍にいる間は、基本的には自分のことで精いっぱいだったから。なんとか早く治して、一軍の輪の中に入りたいなということばかり考えていた。だけど、源田の活躍は当然目に入ってきた。塁に出ればドンドン走って、すごいな、と。刺激というか、ポジションも違うので、純粋に応援していたよ。

源田 うれしいです! そういえばネコさんが誕生日のときに電話して「おめでとうございます」と言いましたね。そのとき、ちょっと野球の話もしましたけど、「盗塁、ガンガン行けよ!」と言ってくださって。

金子侑 失敗は恐れずに、と。

源田 「考え過ぎずに思い切ってやれ」ということをよく言ってもらえています。

金子侑 僕も1年目、すぐに試合に出させてもらって最初のころは思い切りやって結果も出ていた。だけど、あれこれ考えだして、ちょっと深みにハマって。疲れもあるだろうけど、行けるところまでは突っ走ってほしいね。

源田 確かに、あまりプラスに考えられないときもあります。ずっと、「こうしてやろう」という考えでプレーすることができたんですけど、シーズンが進むと「これをしたらまずい」というマイナス思考も徐々に増えてきて。そういうのは良くないなと思いながら……考えちゃうんですけどね。


金子侑 例えば自分が一塁にいて、クリーンアップがバッターだったとしたら、僕なんか「おいしい」と思っちゃう。変化球も増えて、走りやすくなるから。

源田 それも分かっているんですけど、「アウトになったら……」という思いも同時に……。

金子侑 その辺は“豆腐メンタル”だよね(笑)。もちろん考えることは大事。だけど、考え過ぎるのは……。というより、気持ちの切り替えをしないとダメ。ミスをして、悔しい1日だったとしても、次の日には試合があるわけだし。ひきずってはいけない。

源田 僕はあまり切り替えるのが上手じゃないと思います。

金子侑 そんなことないよ。次の日にケロッとしているように思う。

源田 結構、引きずるんですよ。

金子侑 エラーしてもヘラヘラしているじゃん(笑)。

源田 してない、してない! もう、なんとか取り返さないといけないと強く思うだけです。

金子侑 僕は最初、切り替えがまったくできなかった。多分、それが自分のプレーを邪魔していたと思うんだけど、去年くらいからそういうのをもっと気にするようにして、少しは成長できたかな、と。源田には早めに気が付いてもらいたいし。でも、1年目でこれだけ結果を残しているんだから、メンタルが弱いわけはないと思うね。


初回の理想の攻撃パターンは?


交流戦開幕と同時に金子侑は一軍に復帰。当初は九番だったが、6月2日のヤクルト戦[神宮]、金子侑がトップバッターへ回り、源田と一、二番コンビを形成した。三番の秋山も含め、足を使える選手が3人並ぶ打線は相手にとっては非常に脅威だったろう。さながら80年代の大洋(現DeNA)で一時代を築いた高木豊加藤博一屋鋪要のスーパーカートリオか。この打順は交流戦最後まで15試合続き、現在は一番・秋山翔吾、二番・源田、九番・金子侑という形に落ち着いている。

金子侑 打席でとにかく最も頭に置いているのは1回でも多く塁に出ること。一番に入ったときは初回を簡単に終わらないなど、いろいろなことを考える。

源田 僕は野球人生で二番や九番を多く打ってきましたけど、打順にあまりこだわりはないです。とにかくつなぐことを考えて。一番が秋山さんでも、ネコさんでも意識が変わることはないです。状況に応じた打撃。自分のやれることをやって、チームの勝利に地味に貢献できればいいかな、と。

金子侑 僕は今年の目標を出塁率.350に置いていたけど、とにかく積極的に打つ打席もあるし、粘って何とか四球を選ぶことを考える打席もある。ただ、後ろに源田や秋山(秋山翔吾)さんなど出塁率が高い打者がいるから、自分の中で窮屈にならないように、と。僕が出塁できなくても後ろがいるから、と思えているんだよ。

源田 ありがとうございます。僕は例えば一番が初球で簡単に倒れたら、早打ちせずになるべくボールを見ていこう、と。少しでも相手から嫌がられることをしなければいけないということは、分かっていますから。前の打者、その前の打者の打席を見て、自分がするべきことを常に考えています。

金子侑 僕と源田が一、二番を組んだとき、特に首脳陣から何かを言われることもなかった。いきなり、そうなったので、でも、そういうことやろ、と(笑)。言われなくても、やるべきことは分かっているから。だけど僕は一軍に昇格して間がなかったし、1試合ずつ、1打席ずつで必死だったね。

源田 一、二番で初回の理想の攻撃パターンといえば……先頭打者ホームラン(小声で)。

金子侑 (笑)。まあ、理想は2者連続ホームランでしょう。2人で2点を取れば最高。そういう意味では楽天の茂木(茂木栄五郎)、ペゲーロはそれに当てはまるのかな。

源田 ペゲーロが二番って……(苦笑)。

金子侑 楽天の場合は2人で点を取る一、二番だと思うので。僕と源田が一、二番を組んだ場合、そうではない。12球団一のクリーンアップが控えているので、そこにいかにチャンスで回せるかが仕事。相手投手にクリーンアップとラクに対戦させないことが大事になる。


2人でお立ち台に上がれば源田も……


昨年、金子侑は盗塁王を獲得し、源田は7月2日現在、パ・リーグ2位の19盗塁をマークしている。それだけに“足”に対する自信は特に金子侑の言葉の節々からにじみ出ていた。広島の「タナキク」に話が及んでも、「僕らのほうが全然速いですよ。そこでは負けないようにしたい」と金子侑。さらに続けて「2人で100盗塁はしたい」。1年中、試合に出続ければ、それも決して不可能な数字ではないはずだ。

源田 ネコさんが一塁にいて、打席に立っていると、やっぱりけん制も多いですし、緩い変化球も来ないので。バッターとしても速い球に張れるから、ありがたいです。

金子侑 走るまで待たないといけないこともあるし、面倒くさいと思っているだろ。

源田 そんなことないです! 逆にあれだけ警戒されているので、絶対に走るのが大変だなと思っています。

金子侑 源田のことも相手バッテリーは警戒しているよ。

源田 秋山さんが三番のとき、僕が一塁にいると「配球は外ばかり」とおっしゃっていたので、相手も少しは気にしてくれているのかな、と。

金子侑 お互いに塁に出たら走る意欲は持っているので。「今日の投手は塁に出たら走るから」「今日の投手はきつい」という話は前もって、準備段階で打ち合わせはしている。それにウチには強打者が多いので。去年も何でアピールしようか考えて、足で目立つしかない、と。それで盗塁王を獲得することができたから。とにかく、ウチの打線に“足”が加わればもっと良くなる。源田が入ってチームにとって大きかったと思う。まあ、最後に何盗塁できたかというのが大事になってくるかな。

源田 僕は数字の目標はあまりないです。1年目で先のことは見えないですし、いっぱい、いっぱいなので。

金子侑 確かに実際にそうだと思うよね。やっぱり1年戦ってみないと分からない世界だし、何度も言うけど行けるところまで思い切ってやってほしい。ただ、盗塁は54個を目指してほしい。去年、僕が53個だったから、1個上で。

源田 (笑)。ネコさんには、とにかくいっぱい走ってもらいたいです。でも、僕はネコさんが盗塁している動画、メッチャ見ていますからね。参考になりますけど、ネコさんみたいに脚力ないので。その分、ほかの部分で補わないといけません。


金子侑 とにかく、僕らの役割は塁に出て、相手にプレッシャーを与えて、スキを見つけて走るということ。ヒーローになる回数は少ないかもしれないけど、しっかりとチームの勝利に貢献できるようになれたらと思っている。

源田 ネコさんとまったく同じ意見です。自分のできることしかできないですけど、ネコさんを見ながら、たくさん吸収していきたいですね。

金子侑 そういえばヒーローインタビュー、まったく面白くなかったな(6月1日、広島戦)。普段はふざけているのに。本性がまったく出ていない。今度、お立ち台に立ったら、メッチャふざけるんだろう?(笑)。

源田 お立ち台はすごく緊張しました。でも、ネコさんと一緒なら、自分を出せます!(笑)。

金子侑 また、“豆腐メンタル”ぶって(笑)。とにかく、チームのために一緒に頑張っていこう!

西武ライオンズ優勝時の一、二番打者


 過去16度、西武としてリーグ優勝を果たしているが、やはり1990年からリーグ5連覇したときの一、二番がファンの記憶に残っているだろう。一番・辻発彦、二番・平野謙。俊足、好打の2人だが90年から3年連続で平野が“犠打王”に輝いているとおり、無死で出塁した辻を確実に送るパターンが多かった。なお、平野は94年ロッテに移籍したので、5連覇目の同年は辻、吉竹春樹のコンビだった。最強のツートップは2002年の松井稼頭央小関竜也か。この年の松井はトリプルスリーを達成し、最多安打のタイトルも獲得。二番の小関も打率3割とともに、リーグトップの42犠打をマーク。一、二番で自在の攻撃を果たした。08年の片岡易之栗山巧もすごい。両者は最多安打に輝き、初回から大量得点を挙げる起点となった。7月2日現在、首位・楽天と8.5ゲーム差で3位の西武。逆転優勝を果たして、今年の一、二番が新たに球団史に名を刻むことができるか。

一番 石毛宏典、二番 立花義家(1982年)
一番 山崎裕之、二番 西岡良洋(1983年)
一番 石毛宏典、二番 金森永時(1985〜87年)
一番 石毛宏典、二番 平野謙(1988年)
一番 辻発彦、二番 平野謙(1990〜93年)
一番 辻発彦、二番 吉竹春樹(1994年)
一番 松井稼頭央、二番 大友進(1997年)
一番 松井稼頭央、二番 小関竜也(1998、2002年)
一番 佐藤友亮、二番 赤田将吾(2004年)
一番 片岡易之、二番 栗山巧(2008年)


PROFILE
げんだ・そうすけ●1993年2月16日生まれ。大分県出身。右投左打。179cm73kg。大分商高、愛知学院大、トヨタ自動車を経て、2017年ドラフト3位で西武入団。石毛宏典以来、36年ぶりの開幕戦新人遊撃手スタメン出場を果たした。今季成績は70試合、打率.268、2本塁打、24打点、19盗塁(7月2日現在)。

かねこ・ゆうじ●1990年4月24日生まれ。京都府出身。右投両打。179cm75kg。立命館宇治高、立命大を経て、2013年ドラフト3位で西武入団。昨年、53盗塁をマークして初のタイトルを獲得した。今季成績は24試合、打率.276、1本塁打、12打点、4盗塁(7月2日現在)。

ユーザープレゼント
金子侑司選手と源田壮亮選手の直筆サイン色紙




※締め切りは2017年7月17日(月)、当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。※ご応募いただいた個人情報は、懸賞の目的以外での利用はいたしません。

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