昨季にも増して個々の選手の成長が光るカープ。前半戦の快進撃を支え、後半戦も活躍が期待される注目選手を紹介する。まずは表情を変えずに投げまくるこのタフネス右腕・今村猛から。 取材・構成=吉見淳司、写真=前島進、佐藤真一(インタビュー)、BBM ※成績は7月16日現在 逆転のムードが良い緊張感に
──6月6日の
日本ハム戦[札幌ドーム]から14試合連続無失点で前半戦を終えました。
今村 状態は悪くはありませんが、去年ほど良いわけでもないですね。内容だったり自分が投げている感覚だったり、そういうところはまだ手応えはありません。
──防御率自体は昨年より向上し、走者を出しても抑えられているのでは。
今村 ゼロになっているので、結果だけを見れば悪くはありません。ただ、走者を出してしまった場合、次の打者を抑えられればいいんですけど、打たれてしまうと複数失点につながってしまうので、あまり良いことではないですからね。
──奪三振が増えており、打たせて取るよりもリスクを減らせているように思います。
今村 三振を取れるピッチャーを目指してやってきているので、その点に関して言えば去年よりは良くなっているかなと思っています。
──今季は
中崎翔太投手が腰痛症で離脱した4月10日以降、抑えを任されています。セットアッパーからの配置転換を伝えられたのはいつだったのでしょうか。
今村 中崎が一軍から外れたときにすぐに言われました。でも、去年も抑えは経験していたので特に戸惑いはなかったですね。
──5月23日の
ヤクルト戦[マツダ
広島]では、3対2の9回を抑えてセーブを挙げましたが、ポーカーフェースの今村投手にしては珍しく、抑えた後にホッとした表情を浮かべていたのが印象的でした。先発の
野村祐輔投手がアクシデントで3回降板。
薮田和樹投手がロングリリーフし、逆転勝利を収めた試合です。
今村 どの投手でもそうですけど、特に頑張っている投手の勝ちを消すのはチーム的に良くないところがありますし、個人的にも、薮田の場合は中継ぎから先発に回ろうかというところだったので、特に緊張したというか、気持ちが入った試合でした。
インタビュー中に上がった5月23日のヤクルト戦[マツダ広島]。ロングリリーフした薮田[左]の白星を守り、珍しく安どの表情を浮かべた
──マウンド上では表情を変えることはほとんどありませんが、クローザーとしての重圧がある。
今村 7回、8回の勝っている場面で投げるのと、やることは一緒ですけど、あと1イニングで試合が決まるという場面では、ファンの方や選手の視線を感じますね。
──ほかに、前半戦で印象に残っている場面はありますか。
今村 これも薮田が投げた試合なのですが・・・
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