春のリベンジならず──。立ちはだかる“怪物”は半年でさらなる進化を遂げていた。それでも、悔しさはなかった。それは世代を代表する右腕の力を認めていたからだ。2012年夏、盟友・北條史也とともに藤浪晋太郎へ挑んだ田村龍弘の証言とは。 取材・構成=杉浦多夢、写真=BBM “怪物”へ変貌した夏
同じ大阪府出身。だが、直接対決の機会は訪れないまま、田村龍弘は幼なじみである北條史也(現・阪神)とともに光星学院高(現・八戸学院光星高)へ進んだ。ついに迎えた藤浪晋太郎(現・阪神)との初対戦の舞台は2012年春のセンバツ決勝。チームは3対7で敗れて準優勝に終わったが、田村は藤浪から3安打、北條も2安打を放った。しかし、それから半年。夏の決勝で再び相対した藤浪は、真の“怪物”へと変貌していた。 中学のときはボーイズでやっていたので、そのときから藤浪晋太郎のことは知っていました。でかくて、球が速くて、将来はプロに行くだろうなって思っていましたけど、ほかにも北條史也や
森友哉(大阪桐蔭高、現・
西武)とかがいて、全体のレベルが高かったから、めちゃくちゃ目立つ存在ではなかったですね。
本当にたまたま、中学時代は藤浪のチームと当たることがなくて、初めて対戦したのが高校3年春のセンバツ。負けましたし、もちろんすごかったんですけど、そのときの藤浪に対しては「思ったほどではないなあ」と感じました。コントロールもあまり良くなかったですし。でも、夏になると・・・
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